炭酸泉はキケンなのか?「有馬温泉死亡事故」を温泉のプロが検証

 

ただし、野湯マニアなどで知識もなく泉源地に近づくような場合は、正直言って僕は責任が取れない。炭酸ガス、もう一つ、硫化水素ガスを含む温泉は、やっぱりきちんと管理されたお風呂で楽しんだ方が安全だと考える。

野湯マニアの方々の気持ちはわかるが、ガスマスクをしてまで温泉に浸かりたいとは僕は思わない。ただ、無知というのは時に自分の命を危険にさらし人に迷惑をかけることにもつながる。ガスマスクをつけて入る人(いるんですよ、実際に)は、その責任をきちんとわきまえている人だという気もする。ま、いずれにしても僕は、野湯で蛇やミミズと一緒に入浴したくはないな(笑)。

その二酸化炭素泉は、適応症として「きりきず末梢循環障害冷え性自律神経不安定症」が謳われている。炭酸ガスの血管拡張効果によって血行が促進され、ぬるい温度でも温まるほか、心拍数が上がらなくても血液の循環が良くなるため血圧を下げる特徴があり、「心臓の湯」とも呼ばれる極上湯である。

正しい知識を持って、この希少な泉質の湯を楽しみたいものである。

※表記に間違いがあり、本文の一部を訂正しました。(2019年9月4日)

image by: Googleストリートビュー

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