ここがヘンだよ「森友問題」。マスコミが報じない猛烈な違和感

 

いずれにしても、受け皿のない中での倒閣政策論争なき政局というのは無責任極まる話です。もう引き返せないのかもしれませんが、総理自身が徹底的な反省を示す中で、外交にしても、経済にしてもクリティカルな局面で、政権をなんとか安定させることはできないものでしょうか。

つまり、「三大忖度事件」について、「官僚には迷惑をかけた、国有財産の扱いに不適切な結果を招き納税者の信頼を裏切った、居丈高な物言いを続けた」ことを真摯に反省し、その上で自分に全責任があるとして、減給なり譴責なりを行うのです。朝日新聞などに対して悔しい気持ちがあるのかもしれませんが、一国の総理なんですから、そこはグッと我慢されるべきです。その上で「任期まで職務を全うしこれまでの非は政治的成果でお返しする」ということを誠実に訴えるのです。こうしたことに加えて、必要があれば、挙党一致内閣挙党一致官邸を組織して、低姿勢であり同時に実務能力の高い政権とするのです。

もう引き返せないのかもしれませんが、仮に引き返せるのであれば、攻撃側は冷静に、防戦側はより低姿勢にシフトして、どこか落とし所を見出していただきたいものです。

 

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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