まず、最初に素晴らしいなと思ったのは、実際に盲目という障がいを持つ濱田さんが自らの体験をもとにした当事者ならではのお話を、明るく笑いに変えているということである。
そこには、健常者には想像もつかない世界が広がっていて、濱田さんのお話で笑いながら、改めて気づかされることも多い。
例えば、濱田さんの場合は、誰かの顔をイメージできない。なぜなら、子どもの頃からはっきりと誰かの顔を見たことがないからだ。
言われてみれば当たり前だが一度も見たことがないものをイメージすることはできない。
例えそれが人間の顔という多くの人々にとって極めて重要で、世の中には人間の顔があるからこそ成立しているビジネスや文化なども無数に存在しているのにも関わらずだ。
皆さんは自分の周りにいる人々の顔がまったくイメージできない世界というものがどのようなものか想像できるだろうか。
「髪型を変えたの?」や、「顔色悪いわね」のような、ごくごく普通の当たり前の日常会話も濱田さんにとっては具体的に想像できないものなのだ。
そのような盲目の方々にしかわからない世界について、濱田さんは明るい漫談を通して私たちに教えてくれるので気づかされることは多い。
盲目以外の障がい者の方々も、それぞれの障がいに応じて健常者にはわからない世界があるのだろう。
濱田さんのお話を聞いていると視野が広がっていくような気がする。