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優秀な店員ほど「客離れ」が起きる。プロが明かした明確な理由

自分と同じくらいの技量、知識、接客能力なのに、あの人ばかり指名される、売り上げる…。そんなことにお悩みの方、原因は意外なところにあるようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、デキる人ほど陥りがちな「お客が離れてしまう接客」について、非常にわかりやすく解説してくれました。

要望を最優先

あるマッサージ屋さんで、こんな話がありました。同じくらいの技量を持つ2人のマッサージ師がいるのですが、その2人の指名数が全然違うのです。1人は、なかなかお客様から指名をもらえないのですが、もう1人は、指名ばかりで新規のお客様にも入れないくらいの状況になってしまっているということです。

ちなみに、指名が取れない人の接客が良くないんじゃないかと思われるかもしれませんが、どちらも接客に関してはかなり定評があります。技量は大して変わらない、そして接客に関しても問題がないのに、どうしてそんなことが起こってしまったのでしょうか?

ポイントは、お客様の要望に対してのアプローチでした。

例えば、お客様から「肩こりがひどくて辛いんです」という要望があった時。

1人のマッサージ師は、「それは姿勢が悪いからですね。正しい姿勢を取り戻せば肩こりは楽になりますよ」と伝えて、姿勢を戻すための施術をしていました。対してもう1人のマッサージ師は、「それは辛いですよね。じゃあ先に少し肩周りをやりますね。でも、姿勢が悪いのがいちばんの原因なので、肩をやったら正しい姿勢にするために別の施術もします」と伝えて、肩と姿勢を戻すための施術をしていました。

どちらも決して間違ったアプローチではないのですが、指名数が圧倒的に多かったのは、後者のマッサージ師でした。要は、指名数の違いは、お客様の要望を最優先しているかどうかだったんですね。

これは、その世界のプロであればあるほど、起こってしまう現象です。業界に長くいて、その道のプロになっていくにつれて、原因は別のところにあることがわかってきます。ファッションの世界で言うなら、「色の使い方がわからなくてダサくなってしまう」というお客様の原因は、実は色づかいどうこうの話ではなく、そもそもサイズの選び方から間違っているという場合があるかもしれません。たとえ色づかいが上達したとしても、全然サイズの合っていない洋服を着ている限りは、一向にオシャレには見えないわけです。だから、プロであればあるほど、「色づかいよりもサイズの選び方を変えないと」と言ってしまいたくなります。

でも、お客様の要望は、「色づかいなんです

たとえサイズの選び方が大事だということが正論だとしても、お客様の要望を置き去りにして、話を進めてしまうと、お客様の中ではモヤモヤが溜まってしまいます

「私の要望は無視されているのかしら」
「色づかいについてはどうなんだろう」

といった、何とも言えない疑問が残ってしまうんですね。それが影響して、「この人は私の話を聞いてくれない」と受け取られてしまうのです。

先ほどのマッサージ師のことを思い出してください。もしあなたが、肩こりが辛くてマッサージ屋に行った時、そのことを伝えているにも関わらず、「原因は別のところなので、そっちをやりますね」と、肩を揉んでもらえなかったらどう感じるでしょうか?

「原因はわかるけど、辛いのは肩なんだから…」

と、不満を感じてしまいそうな気がしませんか? 自分の要望を置き去りにされてしまったお客様は、やっぱりその販売員のことを信用できません

もし、接客をしている中で、お客様の悩みや要望の原因が他にあったり、違う課題が見えるような時。それらを伝えること、解決する方向に話を持っていくのは良いことです。ただ、だからと言って、お客様の要望を無視してしまうと、そのお客様はあなたのことを信用できなくなってしまいます。

まずはお客様の要望を最優先

そこから本当の原因を探っていくことで、お客様も納得して話を聞いてくれるようになります。

今日のおさらいです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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