全社員にタブレット端末を配る、スケジュール管理をクラウド化する、など社内のIT化を進めたいけれど、社員が使いこなせなければ努力した意味も高いお金を出してデバイスを買った意味もなくなってしまいます。今回の無料メルマガ『がんばれ建設~建設業専門の業績アップの秘策』では著者・降籏達生さんが、全社員が名刺や書類のスキャンを行い電子化に成功したという会社の事例を紹介しています。
「整理」「整頓」「清掃」「清潔」と「スキャン」
電子化、IT化を進める事で業務の効率化を進めることができますし、またムダな経費を削減することができます。一方、その流れについていけない人が多いことも事実です。
- タブレットを配付しても社員が使い切っていない
- 新たなシステムを導入して電子化を進めようとしても社員が活用できず結局元の形(紙で処理)に戻っている
- スケジュール管理を電子化しようとしたけれど入力が進まない
そんな中、まずは書類のスキャンを進める事で一歩進めようとする建設会社があります。受け取った書類や名刺をスキャンして保管することで検索しやすいようになりますし、現場でも見ることができますし、社内の誰でも見ることができるようになります。
でも実際にはなかなか全社員がスキャンするようにはなりませんでした。そこでこの会社では次の3つのことを進めました。
1.スキャナはお菓子と人気社員の横に置くべし
スキャナ置き場は「皆が通る入り口の近く」に置くというのが定説ですが、加えて、名刺をスキャンしたくなる工夫として「スキャナをお菓子と人気社員の横に置く」というアイデアです。
「お菓子をつまみながら、人気のある社員とおしゃべりをし、ついでにスキャンもできる」ことから、スキャンの習慣化に効果があったようです。
2..同僚からスキャンを勧めてもらう
スキャンすることの意味が理解できず、そのためスキャンが進まないということもあるでしょう。一方、スキャンが習慣化している人の80%が同僚の影響でした。上司や同僚から「データ検索してみて」とか「まだ紙で管理してるの?」と言われたのがきっかけとのこと。
その他、過去の書類が見つからないときに同僚がスマホで確認していたり、部下から「残業が減りました」と言わたり、「同僚がスキャンした電子文書を便利に使う姿を見る」ことで、使いたい欲求が高まるようです。
3.「整理・整頓・スキャン」を毎週呼びかけ
本来であれば、社員自身が書類のスキャンを習慣化すべきなのですが、きっかけを掴めなかったり、つい忘れてしまう方も中にはいます。
毎週金曜日の17時に「金曜日です!“5S”を徹底してオフィス美化をお願いします! 1週間のやり残しなくスッキリ週明けを向かえましょう」と周知します。
5Sの“S”は「整理」「整頓」「清掃」「清潔」と「スキャン」にしているとのこと。
自社のルールに、習慣化できるきっかけを組み込んでみてもいいかもしれません。
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