極めて悪質。国会答弁に合わせ「森友記録」を破棄した財務省の愚

uttii20180524
 

23日、森友学園側との交渉記録を意図的に廃棄していたことを公表した財務省。その理由は、辞任した佐川理財局長の答弁に合わせるためという悪質極まりないものでした。この言語道断な財務省の行いを、新聞各紙はどう伝えたのでしょうか。ジャーナリストの内田誠さんが自身のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』で詳細に分析しています。

財務省理財局の森友記録破棄を新聞各紙はどう伝えたか

ラインナップ

◆1面トップの見出しから……。

《朝日》…「森友記録 意図的に廃棄」
《読売》…「国会中に改ざん・廃棄」
《毎日》…「理財局 廃棄を指示」
《東京》…「昭恵氏隠し 鮮明に」

◆解説面の見出しから……。

《朝日》…「『まず昭恵氏に』浮かぶ」
《読売》…「値引き要求 執拗に」
《毎日》…「財務省 隠蔽重ね」
《東京》…「政治家の名 何人も」

ハドル

何ということでしょうか。膨大な森友交渉記録が残されていたのに、佐川前理財局長の答弁に合わせ、まさに国会で問題が議論されている最中に、決算文書の改ざんと並行して廃棄されていた。国会と国会議員、そしてすべての有権者は財務省に虚仮にされ、小馬鹿にされていたのです。

当然、この問題をきょうのテーマにします。

基本的な報道内容

財務省は、森友学園との国有地取引が問題となっていた昨年2月下旬以降、佐川理財局長の答弁に合わせるために交渉記録を意図的に廃棄していたことを明らかにした。決算文書の改ざんと同時並行で。

森友学園との国有地取引巡り、財務省は交渉記録950ページを国会に提出。2013年6月から16年6月に掛けての217件の記録で、正式な文書の保存場所である「行政文書ファイル」ではなく、職員が個人的な手控えとして残していたものだという。大阪地検の協力も得て復元した。記録には、学園側から定期借地権の賃料減額を要望する照会が安倍総理夫人の昭恵氏にあり、夫人付き職員の谷査恵子氏が財務省に問い合わせたとの記載も含まれている。

首相の妻、安倍昭恵氏付きの職員が、森友学園との土地取引で財務省に問い合わせたことを示す文書が明らかになったことで、衆院厚労委で野党が総理を追及。安倍氏は「値下げしてくれということではなく、こういう制度があるのか、これは適用されるのかっていう制度上の問いをしている」と強調。交渉ではないと強弁した。

財務省の犯罪

【朝日】は1面トップが三つの部分から成る大きな記事となっていて、天声人語もこの問題がテーマ。2面の解説記事「時時刻刻」、5面は国会の議論を紹介する「焦点採録」、7面には公表された交渉記録の要旨、14面に社説、34面35面の社会面にも関連記事。見出しから。

1面

  • 森友記録 意図的に廃棄
  • 佐川氏答弁に合わせ
  • 財務省、昨年2月以降
  • 「総理夫人に照会あった」
  • 昭恵氏付き・谷氏 交渉記録に発言

2面

  • 「まず昭恵氏に」浮かぶ
  • 森友側の要望、谷氏問い合わせ
  • 財務省の森友記録
  • 別文書にも名前 複数回
  • 財務省調査と検察捜査 焦点
  • 首相の責任 野党追及
  • 昭恵氏・谷氏の喚問要求へ

14面

  • 森友文書公開 国民あざむいた罪深さ(社説)

34面

  • 特異取引 詳細に
  • 「国も歩み寄りが必要」
  • 「金額限りなくゼロに」 籠池氏
  • 「安倍晋三記念小学校」 森友側が説明と記載

35面

  • 記録廃棄「言語道断」
  • 憤る国会「政治史に残る事件」
  • 「誰の指示か解明を」 関係者
  • 籠池夫妻の保釈決定
  • 財務省 根深い隠蔽体質
  • 麻生氏、説明・謝罪なし

uttiiの眼

《朝日》は昨日の加計問題に続き、総力を挙げて「森友交渉記録の破棄を糾弾している。とりわけ、見出しの中には社説の「国民あざむいた罪深さ」や社会面「記録廃棄『言語道断』」、「政治史に残る事件」など、最大級の言葉が容赦なく使われている印象。この間、加計問題も森友問題も、ともに《朝日》が取材によって安倍政権追及の局面を切り拓いてきたことを考え合わせれば、《朝日》自身、重要なピークを迎えたという手応えがあるのかもしれない。政権がすぐに倒れることはないかもしれないが、逆に言えば、事態が収束に向かうこともないだろう

社説は、「交渉記録は廃棄した」との佐川理財局長の答弁の裏で、実際には残されていた記録をセッセと廃棄した財務省の罪を難じた後、谷査恵子氏が安倍昭恵氏への照会を受けて財務省に問い合わせたことに言及。《朝日》はこの問題がキーになるとみているようだ。

一面記事の後段は、この「照会」問題に対する安倍総理の反応について書かれていて、答弁の中では、「値下げをしてくれということではなく、こういう制度があるのか、これは適用されるのかっていう制度上の問いをしている」と語ったようだ。制度の照会は交渉ではないという苦しい理屈。高度な「交渉術」と言ってもよいし、交渉を超えた「圧力」とみなされても仕方がない。財務省は、この照会を、広い意味での「交渉と見たからこそ、「交渉記録として残していたのだろう。

安倍総理の妻、安倍昭恵氏は、森友学園への国有財産売却に関し、その価格交渉に深く関与した。このことは疑いようもない。よって、安倍晋三氏は自らの言に従い、即刻内閣総辞職をした上で議員辞職すべきだろう。

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