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あの会社の商品は、なぜ値下げせずとも客が喜んで買っていくのか

もし、新商品を販売すると決まったとき、ライバル製品よりも低い価格設定を行わずにお客様に手にとってもらう方法はあるのでしょうか? 今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、とある社長から実際に相談された際のケースを例に、その方法について具体的に記しています。

値下げに頼らない

新商品のマーケティング・営業戦略についてコンサルティングさせていただいたときの話。

社長からは、新商品を市場に伝えていく為に、認知機会をどう創出し拡げていくか? そこからいかにしてお客様 ⇒ リピータ顧客になってもらうか? という流れを構築したいとの相談でした。

新商品なので…誰も知らない。まずはここからでした。

課題はおおまかに以下のようなことが挙げられました。

⇒商品をまずは知ってもらう=実際に手にしてもらうということが必要。どうやって市場へ伝えるか?
⇒初めての商品を手にしてもらう為には、ある程度ハードルを下げる必要がある?
⇒でもそれは価格を安易に下げることではない
⇒では商品価値を下げずとも手にしやすい価格で提供するには?満足・納得感のある価格は?
⇒購入してもらったあとどのように顧客とコミュニケーションを取っていくか? その後の流れをどうするか?

など、基本的な流れを設計図として色々と一緒に考えてみました。

すると、あらゆるところでこの会社だから出来ること、というのがいくつもポコポコと出て来ました。

などなど。

どれも製造販売して元の会社にしか出来ないことであり、言えないこと。1つ1つ小さく細かいことなので、まるでパズルのピースのようでした。ですから、どれか1つが欠けては、パズルは完成しません。だからと言って、ただただそれらのピースをはめ込めばいい、ってことではなく、1つ1つのピース出来ることには意味があるその意味を十分に理解した上ではめ込んでいく…、これが重要だということをクライアントに伝えました。

その意味というのは…、出来ること全てにおいて、「こうこうこうだから○○なんですというお客様にお伝えする理由です。

「この商品は、原材料が○○ですので大量生産することができません、ですから、この価格でご提供させて頂いているのです」とか…、「商品の対象となるお客様は、キャリアウーマンの方が中心ですので、少しでも癒しを感じてもらおう、そして親しみを持ってもらおうと思い、やわらかいタッチのロゴデザインにし、色も暖色系のものを使い、ラベルに採用しています」などなど。全てに意味があり、それらはお客様のことを考えてのものである、ということを情報化し伝えるということです。

これを実践していくことによってマーケティングから営業へという流れが一貫しスムーズに販売提供に繋げることができ、新商品の立ち上げとしては当然苦戦もありましたが、結果的には上手くいきました。

色々なビジネス本なんかを見ていると商品やサービスに対する思いを伝えることは重要ですよ、ということが、よく言われてますが、それに留まることなく…、さらにもう一歩深く掘り下げて、商品やサービスに付随したり関連することなんかをもう一度、あなたの会社でも見直してみて下さい。

見渡せば、きっとみなさんの会社(お店)にもたくさんあると思います。それらは、みなさんの会社だから出来ること、みなさんの会社だからあること、だったりするものもたくさんあるでしょう。これら、小さなことを1つ1つ拾っていき、そこにもきちんと意味がある。ってことまで考えてみましょう。そんな事を考えていくと…、商品やサービス価値は決して下がりません。そして、あなたの会社が市場へPRして行くための貴重な情報源であったりするはずです。

きっと、お客様も「そこまで考えてるんだぁ」なんて感じて下さります。

値下げをせずとも売れる、というのは、このようにそこにある価値をきちんと伝えることなのです。

■今日のまとめ

『すべてのモノの意味が伝わることで価値を下げないことになる。』

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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