断たれたのは金正恩の逃げ道。米朝会談は「トランプ大勝利」で確定

 

CVIDってそんなに大事なの?

基本と背景を抑えたので、今回の会談内容に移ります。「失敗だ!」と主張する人の主な根拠は、「共同声明に、『CVIDの文字がないではないか!」とい
うもの。「CVID」ってなんでしょうか? 一種の流行語になっているので、皆さんご存知ですね。

Complete, Verifiable, and Irreversible Denuclearization=完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄

これ、だまされたくないアメリカが主張しているのです。ところが、共同声明には、「完全な非核化」とはあるけれど、「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」とはない。だから失敗だ!という

皆さん、これどうですか? 「そのとおりじゃないか!」と思う人も多いかもしれません。「失敗だ!」というのは、つまり、「だます」ということでしょう。

よく考えてください。よくよく考えてください。

「完全な非核化」と共同声明に書いてあっても、金はだませる。「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」と共同声明に書いてあれば、金はだませない?????????????

なんでそういう話になるのか、私にはさっぱりわかりません。金がだますつもりなら、「完全な非核化」と書いてあろうが、「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」と書いてあろうが、「だませるよね」と思いませんか?

そう、私たちは、「金は、お父さんの正日を見習ってだますつもりだ」と考えている。「だます」とは、具体的にどういうこと? 「非核化を約束しながら、実際には非核化せず、一方で制裁解除と経済支援を実現する」、こういうことです。それで、彼が共同声明で、「完全な非核化」を約束しようが、「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」を約束しようが、大差ない。

より重要なのは、「非核化が実現するまで、だまされて、金がほしいものを与えない」ということなのです。つまり、非核化がなるまで「制裁を解除しない」「経済支援しない」ということ。この点、6月12日の記者会見で、トランプさんは「制裁はつづける」と断言しました。そして、ポンぺオさんも14日、同じことを強調しています。

非核化完了まで対北朝鮮制裁の緩和行わず、ポンペオ氏

6/14(木)14:13配信

 

【AFP=時事】マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は14日、ソウルで日韓外相との会談後に共同記者会見に臨み、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長は非核化が早急に行われる必要があると理解していると述べた一方、北朝鮮に対する制裁緩和は非核化のプロセスが完了するまで行わないと強調した。

北朝鮮に対する制裁緩和は非核化のプロセスが完了するまで行わないと強調した。

ここまでの話、よろしいでしょうか? まとめると、

  • 金がだますつもりなら、共同声明に「完全な非核化」と書いても「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」と書いてあっても、だますことはできる
  • だから、「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」と書いてあれば「だませない」という説には何の根拠もない
  • より重要なのは、94年、05年の過ちを繰り返さないこと
  • つまり非核化前に、制裁を解除したり、経済支援をしてはならない
  • この点、トランプ、ポンぺオは、何度も強調している

となります。

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