疲弊した医師たちの嘆きが伝わってくる、衝撃のアンケート結果

2018.07.04
by ニシム(MAG2 NEWS編集部)
shutterstock_1111980596
 

今年の流行語大賞といえば、現在ワールドカップで話題となった「半端ねえ」が最有力候補ですが、もう一つ「働き方改革」もかなり注目を浴びているワードの一つ。「残業が減った」「早く家に帰るようになった」というお父さん世代の方も多いはず。

一方で、まだまだブラックな働き方が改善されていない職業もあります。その一つが、医師です。働き方改革関連法案に含まれる時間外労働の上限規制について、 医師は「応召義務」などの特殊性から5年の適応猶予がもたれました。 現在検討会等で規制の具体的な在り方や労働時間の短縮策を検討しているところですが、現場の医師は現在の勤務状況をどう思っているのでしょうか。医師人材総合サービスを手掛け 「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」を運営する株式会社エムステージが、 会員医師を対象に「医師の働き方改革」について、生の声をアンケート調査しました。

疲弊した医師の嘆きが伝わってくるアンケート結果がこちら 

Q.厚生労働省が行っている「医師の働き方改革に関する検討会」をご存じですか?

ishisub1

「医師の働き方改革に関する検討会」 を知らない医師が3割もいました。患者の対応に追われて働き方について思いを巡らす余裕がないのかもしれません。

医師の働き方改革が「必要」と回答した医師は7割

Q.「医師の働き方改革」は、 日本の医療現場に必要だと思いますか?

ishisub2

医師の働き方改革は必要 だ と考える医師は7割超に達しました。現在の勤務状況や人員体制に余裕がない様子が感じられます。

Q. 「医師の働き方改革」によって、 現在のご勤務先の労働環境に良い影響があることを期待していますか?

ishisub3

一方で、 医師の働き方改革に期待している医師は2割のみ。 現状の働き方には課題があるという認識がありながらも、現在検討中の「医師の働き方改革」には期待できないという考えが浮き彫りになる結果となりました。頭の良いお医者様ですから、改善に立ちふさがる問題点がすでにあれこれ想起されているのかもしれません。以下、具体的な回答です。

Q.上記問いの期待できるまたは期待できない点とその理由について、 具体的にご記入ください。 

■「とても期待している」「まあ期待している」の回答者

・1人常勤のため、 電話や夜間のコンサルもすでに減って来ている。 以前のような理不尽な連絡も減った。

■「それほど期待していない」「全く期待していない」の回答者

・他職種のようにしっかり勤務時間を拘束する(他病院でも働けないなど)と、 総医師数が不足すると思われる。
・休暇を取った際、 業務を代理する医師数が増えるとも思われないので。
・患者さんの病状はコントロール出来ない。 現場に立つ限り、 仕事が忙しいとか、 きついとか言える職業では無いと思います。
・病院、 科ごとに異なるわけでお役所がつくった一律な基準を当てはめるのは困難。
・時間外労働が正当に評価されない可能性を懸念している。

残業はできればしたくないが、難しい現実が・・・

Q. 残業についてのご自身の考え方で、 最も近いものはどれですか?

ishisub4

8割を超える医師が、 残業せずに帰宅したいと希望しているようです。 

しかし 患者の状況などで難しい現実がある。時間外労働の上限規制には賛否が 分かれる。 十分な診療ができず、 医療ニーズを満たせなくなると考える医師も4分の1に。

Q.5年後をめどに、 医師の残業上限規制が適用される予定ですが、 その際に困ると想定されることはありますか?

ishisub5

医師のアンケートから、医療現場のとても忙しく人員が不足している現状がなんとなく浮き彫りになってきました。お医者さんといえど、充実したプライベートタイムを過ごしたいと思う気持ちは同じ。それでも、次々にやってくる患者のために、今の勤務状況に耐えている人が多いようです。医師の働き方改革も早く整備が進むとよいですね。

Dr.転職なび
Dr.アルなび
情報:PR Times

Image by: shutterstock.com

print
いま読まれてます

  • 疲弊した医師たちの嘆きが伝わってくる、衝撃のアンケート結果
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け