猶予は11月まで。金正恩に笑顔を向けるトランプが北に攻め込む日

 

問題は、中間選挙の後

この件、トランプさんは、どう思っているのでしょうか?

北は非核化の「契約」守る トランプ氏が自信表明

7/10(火)7:16配信

 

【AFP=時事】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は9日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長と交わした非核化の「契約」が守られることを確信しているものの、中国が合意を損なおうとしている恐れがあるとの見方を示した。

トランプさんは、「金は、約束を守りたいが、習が邪魔している」という見解です。私たちから見ると、「金も習も最初からだますつもりだった」ということになるのですが…。米朝首脳会談は「大成功だった!」と宣言したトランプさんは、「金は誠実、悪いのは習」としたいのでしょう。

ポンペオさんは、北の後、東京にこられています。

北の完全非核化まで制裁…日米韓が外相が一致

読売新聞 7/9(月)13:12配信

 

ポンペオ米国務長官は8日、東京都内の外務省飯倉公館で、河野外相と韓国の康京和(カンギョンファ)外相と約40分間会談し、6~7日に平壌で行った米朝高官協議の内容を説明した。3氏は、北朝鮮にすべての大量破壊兵器とあらゆる射程の弾道ミサイルを「完全かつ検証可能で不可逆的に廃棄」させる方針を再確認し、非核化完了まで制裁を続けることで一致した。

非核化完了まで制裁を続けることで一致した」そうです。北が「どうもアメリカをだまして制裁緩和をさせるのは、むずかしそうだ」ということで、態度が硬化してきた。結果、日米韓の結束が強まってきています

既述のように、RPEではこれまで北の真意について、「非核化を約束し、制裁を解除させ、経済支援を得て、体制保証も得て、しかし、完全非核化はしない」と書きつづけてきました。日本人にはすんなり納得できる「説」ではあるものの、今までは、「推測」にすぎませんでした。しかし、今回の北のリアクションで、「やはりそうだったのかと誰もが思えるようになってきています

これから北問題は、どうなっていくのでしょうか? アメリカでは11月に中間選挙があります。それまで、北問題は、比較的穏やかでしょう。北は、核実験、ミサイル実験をできないし、アメリカも「金はウソつきだ!」とはいえないと思います。

問題は、中間選挙の後ですね。トランプは、「金はやっぱりウソつきだ!」と批判を再開。非核化に目に見える進展がなければ、再び戦争の危機が訪れるでしょう。

image by: shutterstock

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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