少し事例をもとに解説します。
例えば、「高い」という買わない理由があるとします。「高い」という言葉は、実は不思議な言葉でして、何かと比較しない限り、発生しない言葉です。お客様は、何かと比較して、高いと言っているはずなのです。まずは、それを明確に理解します。
- A社と比較して高いのか?
- 自分の予算と比較して高いのか?
- 性能と比較して高いのか?
- 単に値引きを要求して高いと言っているのか?
- 断り文句として高いと言っているのか?
「高い」という言葉を、より具体的な言葉に変換します。同様に、「良い」「悪い」なども、抽象度の高い言葉です。全て、具体的な言葉に置き換えます! そうして行かないと、真実が見えてきません。具体化するということが重要です。
具体化をすることで、例えば、A社の商品と比較して、高いと言われていることが分かったとします。ところが、その商品とは、比較して欲しくないほど、性能に違いがあるとします。つまり、A社の商品は、性能が低いから安く、あなたの商品は性能が良いから、高いとします。
もし、あなたがそれをお客様に指摘されてから、説得していたとしたら、あなたの負けです! トークミスです!! 事前に全て潰してからしか、料金を言ってはダメなのです!
実は、多くの人がトークミスを平然とやっています! 料金は最後の最後です。事前に潰してから、料金を言えばいいだけなのです。例えば、「よくA社の商品と比較して高いとかいうバカな人がいますが、全く別もんなんですよ、…実は、…」と、あなたが話をしておけば、A社の商品と比較して高いという話は、無くなるはずなのです。このように、買わない理由をあなたのトークで事前に潰せないか、考えていくことができるのです。
また、買う理由で、買わない理由を潰せないかと考えます。多くの場合、買う理由の中に、買わない理由を薄めることができる、若しくは排除できるものがあったりします。それを、トークに織り交ぜられていない、若しくは考えられていない場合に、お客様に「No」という言葉を言わせているのです。
また、話す順番も重要です。どの順番で話すことで、買う理由が強まり、買わない理由を薄めることができるのか? 考えてみましょう! ぜひ、買う理由・買わない理由を書き出して、ワークをやってみてください。
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