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docomo withにiPhone 6sが仲間入りで大ヒットの予感━━アップルとの契約条件「iPhone Agreement」改定のおかげか

今週、最も驚かされたのが、NTTドコモの「docomo with」にiPhone 6sが加わったというニュースだ。

そもそも、docomo withが登場した頃から「iPhoneは対応しないのか」と吉澤和弘社長は囲みで突っ込まれていたが、その度に吉澤社長は「iPhoneは高価格帯の商品なので難しい。docomo withは4万円以下の端末を想定している」と回答していた。

そんななか、飛び込んできたdocomo withにiPhone 6sが仲間入りというニュース。資料を見てみたら、いつの間にかiPhone 6sが3万9600円(税抜)となっており、4万円を切る値段に値下げされていたのだ。

iPhone 6sは3年前の機種となるが、おそらく海外では継続的に生産されている可能性がかなり高そうだ。やはりiPhone Xなどのフラグシップモデルは海外市場から見ればかなり高額な部類に入る。そんななか、新興国などでiPhoneを手に入れるとなると、iPhone 6sあたりがちょうどいいのではないか。実際、日本でもUQモバイルやワイモバイルではiPhone 6sは現行機種となっている。

9月にリリースとなるiOS12はiPhone 6sもサポートするため、いまから、iPhone 6sを購入してもさほど困ることはないだろう。むしろ、iOS12が高速化が図られているということで、かなり快適にiPhone 6sを使えることも予想される。

また、これまで「docomo with」は専用端末がラインナップされていたが、iPhone 6sに関しては型落ちの製品が仲間入りしたことになる。来年にはiPhone 7がdocomo withにスライドしてくるということも予想されそうだ。

今回、NTTドコモがdocomo withでiPhone 6sを取り扱うことで爆発的なヒットになりそうな気がしてならない。ひょっとすると、すでにサブブランドなどで取り扱っているソフトバンクやKDDIも再び、iPhone 6sを扱うようになる可能性もありそうだ。

公正取引委員会が、キャリアとアップルとの契約条件である「iPhone Agreement」の存在を暴いたが、これによって、キャリアはiPhoneに端末割引を適用してなくてもよいような条件に書き換えられた。まさか、この条件変更によって、こんなにも早く、iPhoneがdocomo withから登場するとは思わなかった。

本来、公正取引委員会は、日本の市場で、iPhoneが優遇されている点にメスを入れたかったはずではないのか。しかし、公取委の取り組みの結果として、iPhoneがdocomo withに登場し、iPhoneのシェアが更に上る可能性が見えてきた。結局、公正取引委員会が頑張ったことで、アップルが得をするというなんとも皮肉な結果となったようだ。

image by: Ned Snowman / Shutterstock.com

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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