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ドラゴン桜の指南役が伝授、我が子をプラス思考人間に育てる方法

頑張って頑張って、歯を食いしばってこそひとかどの人物に立身出世できる…。そんな人生観が日本人には根強く残っています。しかし頑張る際に忘れがちなのが、土台となる自己イメージです。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では著者で漫画「ドラゴン桜」の指南役としても知られる親野智可等さんが、なりたい自分を実現するためのイメージトレーニング法を紹介しています。

「プラス思考人間」の育て方

人間は「自己イメージ」という自分の設計図を持っている。「私はこういう人間だと思っていると長い間にそうなっていく。だから、いまの私は内面的にも過去の自分がイメージした人間である。いや、そうじゃないという人もいるかもしれないが、無意識のレベルでは必ず自分へのイメージを持っている。

自己イメージは人間を形成する上で、大きな影響力を持っている。自分はダメだ、能力がないと思っていると、実はそんなことはないのにだんだんそうなっていく。自分はダメだと思っている子どもが、大きな木に育ち、可能性を伸ばしていくことはあまりない。したがって、子ども時代に自分に対するいいイメージを持てるようにすることが親の役目だ。

10年以上前のことだが、オリンピックで金メダルを取ったある外国人レスリング選手のことをテレビで報道していた。彼は毎晩、寝る前に金メダルを取って表彰台に立つ自分の姿や、テレビカメラの前で金メダリストとしてインタビューを受ける姿を思い描き、インタビューへの答えを考えながら寝たという。寝る前に描いたイメージは睡眠中も続くという。それを毎日繰り返せば、あたかも金メダルを取るのが当たり前のように感じられる。

自分が輝いている姿を思って寝る

このイメージトレーニングを子どもたちにも応用してほしい。サッカーをやっている子なら、寝るときにレギュラーで活躍している姿や、シュートを放ってゴールする姿を想像するように子どもに教えるのだ。ピアノを習っている子なら、発表会でじょうずに弾けて拍手を受けている様子を思い描く。また、テストで100点を取ったところや、将来の夢であるアナウンサーや宇宙飛行士になった姿など、実現したいことをイメージして寝るようにする。

さらに、もう1つ試してほしいのは、寝る前にいままで一番楽しかったときうまくいったときのことを思い出していい気分で寝ることだ。運動会で1位になったことでも、何かで表彰されたことでもいいし、夏休みの旅行ですごく楽しかった思い出でもいい。自分が輝いている姿を思い浮かべて寝る。

こうした方法を子どもに教えてやり、実践するようになれば、子どもにとって生きる力となり、財産となる。

私も中学生のころ、このような寝る前のイメージトレーニングの重要性を書いた本を読んで、楽しい思い出を考えながら寝るようにした。そのせいかどうか、もともとお気楽な楽天家なのかもしれないが、プラス思考の人間になった。

中には逆の人もいる。不安や嫌なことを思い出しそのまま寝てしまうと不安な気分がずっと続く。それよりも、楽しい、うれしい気分で寝た方がいいだろう。

親子で「ヒーローインタビューごっこ」

イメージを思い浮かべるだけでなく、もう少し面白い方法もある。それは、「ヒーローインタビューごっこ」である。このゲームは親子でおしゃべりしながら、何気なくやるほうがいい。

例えば、今度学校で水泳大会があるとすれば、子どもと話しながらその話題になったとき、「それじゃ水泳大会で1位になったつもりでインタビューに答えてよお母さんやお父さんがインタビューアーになる

「1位になった気持ちはどうですか?」

最初は恥ずかしがって、「エー」とか言っていても、立て続けに質問をすれば、だんだんその気になってくる。

こうやって、どんどん質問することで子どものイメージ化を助け、あたかもチャンピオンになったような気分にさせる。その後で、「本当にチャンピオンになった様子を思い浮かべながら寝るといいよと寝かせるのだ

「なりきり作文」で気分をよくする

もう1つの面白い方法は「なりきり作文」である。自分がチャンピオンになりきった気分になって作文を書くのだ。例えば、こんな具合。

「今日は、水泳大会でチャンピオンになれてうれしいです。泳いでいるときはみんなの応援の声が聞こえました。毎日、1時間以上練習して、がんばったかいがありました」

ヒーローインタビューごっこの後に作文を書くともっと効果的だ。日記で、なりきり作文を書く手もある。私も教師時代に授業で、なりきり作文をやったが、みな喜んで書いていた。気分がいいので、書きやすいのだ。

こうしたイメージトレーニングとともに、親の言葉遣いも大事だ。親がいつも否定的な表現が多いと、子どもはいい自己イメージを持つことができない。「なんで、ちゃんと勉強しないんだ」「なんで、さっさと宿題を終えないの」と否定的表現で叱るのではなくもっと肯定的表現で話しかけてほしい。

「この頃、書き取りの字がうまくなったね」とか、全体的にうまくなくても「この字はいいね」とか、部分でいいからほめる。肯定的表現で子どもをやる気にさせることが大事だ。肯定的に言えない場合も、「~しなさい」「~しようと単純命令形で話すように心掛け否定形は使わないようにしてほしい。

初出『親力養成講座』日経BP 2010年6月10日

image by: Shutterstock.com

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5年連続でメルマガ大賞の「教育・研究」部門賞を受賞!家庭教育メルマガの最高峰。教師生活23年の現場経験を生かし、効果抜群の勉強法、子育て、しつけ、家庭教育について具体的に提案。効果のある楽勉グッズもたくさん紹介。「『親力』で決まる!」(宝島社)シリーズは30万部のベストセラー。

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【著者】 親野智可等 【発行周期】 不定期

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