外尾 「初っ端の仕事は、安全ベルトも階段もないところを地上60メートルの高さまで鉄棒をつたうようにして登っていくんですけど、足場が古いので捻れてるんですよ。リズムに合わせて歩かないと落ちてしまう。だから、別に信心深かったわけじゃないですけど、登る前にはやっぱり神に祈りますね。
ただ、これは奇跡としか言えないんですが、サグラダ・ファミリアの建設が始まって以来、136年間、いまだかつて死亡事故はないんですよ」
梶田 「それはすごい」
外尾 「最近はもう見事な足場になってますし、安全ベルトも義務化されてますけど、逆にいまのほうが危ないと思うんですね。
というのは、皆が安全だと言い切った時に油断が生まれる。これから先も死亡事故がないサグラダ・ファミリアを続けていかなければいけませんから、常に緊張感を持って臨むことが大事です」
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