残るは日本のみ。世界で失敗続くトランプ「ディール外交」の限界

 

欧州の混乱

メイ首相のEU離脱合意案、閣議での投票が拒否されて一方的にメイ首相が支持されたと宣言したが、閣内での支持者は1名であり、抗議のために4名の閣僚が辞任した。今後議会での批准が必要であるが、反対に保守党内ではメイ首相の信任投票になり辞任になりそうである。このため、ハード・ブレクジットの可能性もあるし、再度、英国の国民投票になる可能性も出てきた。

EUサイドも、イタリア問題が噴出しているので、英国のブレクジットを早く片付けておきたいはず。

イタリアは、大幅赤字の来年予算を変える考えもなく、EU財政規律ルールを破ることが確実である。EUは、イタリアに制裁を発動することになる。

しかし、制裁が発動されたら、総選挙になり、EU離脱を掲げる同盟が過半数を取る可能性が高い。このため、イタリアが次のEU離脱となる。極右政党「同盟」に対しては、米国のバノンやロシアが資金援助をしている。

まだまだ、欧州の混乱は続いていく

日露平和条約

プーチン大統領と安倍首相は、14日日ロ首脳会談で日ソ共同宣言を基礎に平和条約の締結交渉を加速させる方針で一致。今後、2ケ国間で、交渉することになる。2島返還になり、後の2島の返還は出来なくなると見る。

しかし、これ以上、交渉が遅れると2島返還もできずに、永遠に北方領土の返還はできなくなる。ロシアの現状住民がそれを許さない。

ここで平和条約締結をするしかない。2島返還で、残り2島を共同管理にして、ロシアの優先権を認めることで、うまくいくなら、それでも良いかもしれない。

相手にもメリットがある提案にしないと、交渉はうまくいかない。

自国優先を世界の国々が行ったら、どこかで戦争になってしまう。それを防ぐのは、相手のことも考え、相手にもメリットがある提案をすることである。利他の精神である。これが世界的になくなってきて、世界はぎくしゃくしてきた。

さあ、どうなりますか?

image by:Eric Rosenwald / Shutterstock.com

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