重要なのは対中戦略。北方領土「2島先行返還」が大正解な理由

kitano20181121
 

「日ソ平和条約交渉加速のために北方領土2島先行返還」という、賛否を呼んだ安倍首相の新戦略ですが、日本にとって「正解」なのでしょうか。国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、日ソ友好化の流れが、日本と領土問題を抱える中国対抗策として優れる点を、過去の大戦で大敗した日本や、勝利したアメリカ、中国それぞれの戦略事例をあげて詳しく解説しています。

2島先行返還の【戦略的】意義

前回の「70年続く北方領土問題を2島だけ返還で終結させたいロシアの本音」では、安倍総理が14日、驚くべき発言をされたことに触れました。その発言とはこちら。

「そして1956(昭和31)年、(日ソ)共同宣言を基礎として、平和条約交渉を加速させる。本日そのことでプーチン大統領と合意いたしました。

「日ソ共同宣言を基礎として、平和条約交渉を加速させる」ことで、「プーチンと合意した」そうです。「日ソ共同宣言」とはなんぞや????一言でいえば、「平和条約締結後に歯舞色丹島を返す」という宣言です。両国で批准されていて、法的効力があります。

安倍総理のこの発言がなぜ「驚き」なのでしょうか?そう、日本の立場はこれまで、「4島一括返還」だった。日ソ共同宣言は、「4島返還に言及していない。「2島返還」なのです。これ、日本側は2島先行返還」といいます。つまり、「先に2島を返してもらい、後で残りの2島を返してもらう」。一方ロシア側は、「2島返還で終わり」という立場。

これ、予想通り、たくさんの批判がでています。当たり前ですね。しかし、私自身は【戦略的】に、安倍総理の決断を支持しています。どういうこと?

戦略のない日本

「戦略」は、「戦争に勝つ方法」という意味です。「戦術」は、「具体的な戦闘に勝つ方法」という意味です。

皆さんご存知のように、日本軍は個別の戦闘では連戦連勝だった。ところが、大戦略がなかったので、結局敗れました。「大戦略がない」とはどういうこと?海軍は、「アメリカが日本の敵だ!」と主張。陸軍は、「ソ連が日本の敵だ!」と主張。これ、どっちかにしないとダメでしょう?両方敵にまわしたら勝てるはずがありません

その点賢明なアメリカ。この国には、主要な敵が2国ありました。ナチスドイツとソ連です。アメリカは、まずソ連と組んでドイツをつぶした。その後、かつての敵だったドイツ、日本、さらに中国と組んでソ連をつぶしたのです。

私は自虐史観の持ち主ではありませんが、「事実として」アメリカは戦略面で日本よりすぐれています

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