日本の対中戦略は?
中国の戦略がわかれば、日本は戦略をたてることができます。中国は、
- 日米分断
- 日ロ分断
- 日韓分断
が戦略ですね。ですから日本の戦略の基本は
- アメリカとの関係をますます強固にする
- ロシアと和解する
- 韓国との関係を良好に保つ
となります。そして、安倍総理はそうされてきた。2015年4月の「希望の同盟演説」で日米関係は、とても良くなった。トランプさんともいい関係を維持している。2015年12月の「慰安婦合意」で日韓関係はよくなった。2016年12月のプーチン訪問で、日ロ関係は劇的に改善された。安倍総理は、中国の戦略を、いったん無力化することに成功しました。しかし、戦いはまだつづいているのです。
- 日米関係を良好に保つ
- 日ロ関係を改善していく
- 日韓関係を穏やかに保つ
これは、大戦略の基本であって、中国の体制が変わるまでブレるべきではありません。この中で、一番「無理!」と思うのは、韓国でしょう。最近も、
- 徴用工問題
- BTSの原爆Tシャツ
- 慰安婦財団解散
など、日本への挑発がつづいています。私もこういうニュースを聞くたび、胃がキリキリ痛む。それでも、中国に勝ちたければ、韓国との関係も良好にたもたなければならない。もちろん、徴用工問題や慰安婦問題で妥協する必要などありません。それでも、怒りを抑えて冷静でなければならない。私たちは、何をやっているか知っておく必要がある。私たちが韓国に激怒するとき、ニッコリ微笑むのは習近平なのです。
ロシアとの関係改善がなぜ必要か?
世界には、3つの大国があります。アメリカ、中国、ロシアです。この中で中国は、「アメリカ、ロシアを味方につけて日本を破滅させよう!」としている。そこで日本も、「アメリカとロシアを味方につけて中国に対抗しよう」というのが、基本的な戦略になる。それで、ロシアとの関係改善が不可欠なのです。
ところが日ロ関係は、とても悪かった。まず、日本は、クリミア問題でロシアに制裁している。経済の話ができなくなった。それで、日本政府高官は、訪ロするたび、「島返せ!」としかいわなくなった。ロシア側は非常に立腹していました。
しかし安倍総理は、「経済協力を進めることで、関係を改善していこう」という路線に転換した(制裁で、簡単ではないにしろ)。それで、日ロ関係は急速に改善されていきました。
日本は、アメリカ、ロシアと仲がいい。中国の立場が軟化してきたのは、これが理由です。今年、米中貿易戦争がはじまり、中国の態度はさらに融和的になりました。これは、日本の戦略勝ちですが、中国に関しては、「戦は詭道(ウソ)なり」なので、一瞬も油断できないのです。