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市場価値の低い労働者に会社が考えざるを得ないふたつの選択とは

前々回の「大きなトラブルの種。普通解雇と懲戒解雇の違いを知ってますか?」と前回の記事「会社から受けた『退職勧奨』が違法か否かを見極める『ポイント』」では、会社側に立った目線で解雇等について解説してくださった社労士の飯田弘和さん。今回の無料メルマガ『採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』では働き手の方々に向け、労働市場での自分の価値を意識しておく必要性を記しています。

労働市場価値

前回の「会社から受けた『退職勧奨』が違法か否かを見極める『ポイント』」、前々回の「大きなトラブルの種。普通解雇と懲役解雇の違いを知ってますか?」と解雇や退職勧奨についてお話してきました。今回お話しするのは、労働市場価値というお話(今回は、労働者の方へ向けてのお話です)。

労働者の方で転職を考えたことがある人は多いと思います。ご自分の年齢や学歴・経験等から、同業他社での求人を探した際に、その求人のあまりの賃金の低さに驚かれた方も多いでしょう。それで転職をあきらめたという方もいるのではないでしょうか?ただ、少し厳しい言い方になりますが、それがあなたの市場価値です。今のあなたは、賃金をもらい過ぎているということです。

そうであれば、会社が考えるのは2つ。

  1. あなたの賃金を市場価格まで引き下げる
  2. あなたに退職してもらい、労働市場からもっと安い(適正価格である)あなたと同程度の能力を持った人を雇入れる

会社が合理的な考え方を持てば、上記2つの選択になるでしょう。

もし、あなたの仕事が、長年その仕事を行っていくことでしか身につかない特殊な技術やノウハウがあるのであれば、あなたの賃金が市場価格よりも高いことについて説明がつきます。しかし、そこまで特殊な技術やノウハウというのはなかなかありません。

よく、「うちの会社は特別だから」とか「私の仕事は特殊だから」などといった発言を聞きますが、本人が思っているほど特殊でも特別でもないことがほとんどです。

これからは、外国人労働者も多く入ってきます。これは、労働市場の相場価格を下げる圧力になります。

会社が長く続いていくためには、景気の変動や技術・市場の変化等にうまく対応していくしかありません。危機を乗り切るために、会社は従業員の賃金をはじめとする労働条件を引き下げたり従業員に辞めてもらう必要が生じます。それはどの会社にも訪れることですが、特に中小企業ではその変動に持ち堪える体力がないため、従業員にしわ寄せが来がちです。いつ、労働条件の引き下げや退職勧奨を受けるか分かりません。

あなたがこの先長く働いていく上で、常に労働市場での自分の価値というものを意識しておく必要があります。労働市場での自分の価値を知ったうえで、会社からの労働条件変更や退職勧奨にどう対処するか判断していくべきでしょう。

以上を踏まえて、改めてお聞きします。

「ご自分の労働市場での価値を知っていますか?」

image by: Shutterstock.com

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就業規則とは、入社から退社までの「ルールブック」であり、労使トラブルを未然に防ぐ「ワクチン」であり、効率的な事業運営や人材活用を行うための「マニュアル」でもあり、会社と従業員を固く結びつける「運命の赤い糸」でもあります。就業規則の条文一つ一つが、会社を大きく発展させることに寄与し、更には、働く人たちの幸せにも直結します。ぜひ、この場を通じて御社の就業規則をチェックしていただき、問題が生じそうな箇所は見直していただきたいと思います。現役社会保険労務士である私が、そのお手伝いをいたします。

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【著者】 飯田 弘和 【発行周期】 週刊

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