習近平「米国との武力衝突に備える」発言に日本はどう振る舞う?

 

このシナリオがより現実味を帯びてくる情報もあります。朝鮮半島の後処理については、実は、米中ロシアで話し合いがされていて、仮にアメリカが“メンツの問題で”北朝鮮を攻撃することになっても、軍事的な介入はしない、という密約説です。陰謀説にあまり乗っかって話したくはないのですが、いろいろな情報を集めて分析してみると、ありえないシナリオではないということです。

日本は恐らく戦後処理および復興の資金と技術を提供させられる羽目になるでしょうが、比較的、短時間で決する可能性があります。もちろん、韓国抜きで行われる作戦です。

これ以上の詳細については、お話できませんが、今後の状況次第では、2019年中に大きな変化が朝鮮半島を襲うことになるでしょう。そして、日本にとっての肝心のマターである拉致被害者に関する問題ですが、現在、北朝鮮との直接的な折衝が実現していない中、解決の糸口はなかなかつかめず、仮に上述したような状況になり、北朝鮮が存在しなくなった場合は、問題の解決は非常に困難を極めるでしょう。戦後復興の作業と称して、独自に捜索活動を実施することはできるかもしれませんが…。

日米、日中、日ロ、日韓、日朝という複雑に絡み合った2国関係の糸に加え、米朝、米中、米ロ、米韓問題も絡む、非常に複雑なパズルになっているのが、現在の北東アジア情勢です。中東やラテンアメリカ、そして東南アジア諸国で起きている問題も深刻なものが多いですが、もしかしたら2019年以降の混乱の国際情勢の嵐の目になってしまうのは、そして第3次世界大戦のトリガーを引いてしまうのは、私達の地域、北東アジア地域かもしれません。

これまでお話してきたようなシナリオが、ただの妄想であるように祈っています。

image by: Alexander Ryabintsev, shutterstock.com

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