こんな教師もいた。断腸の思いで退学にした生徒から届いたハガキ

 

私は、A君とB君とも2年になってから担任した生徒です。ところが、二人は1年生でも同じクラスでした。B君のお母さんによれば、2年生のクラス発表があった日は元気がなかったとのことでした。生徒に充分に目が行き届いていなかったことを反省しました。

また、B君を救わなければと思うと同時に、憑き物が落ちたようなA君の謹慎中の態度から担任としては複雑な思いでした。でも、事の重大さから、「A君の行為をそのままにしてはいけない」と考えざるを得ません。学年主任や教頭に、A君に進路変更自主的な退学を勧める方針を提示せざるを得ませんでした。

B君から聴取した事実を持って、学年主任と共に謹慎中のA君の家庭訪問に行きました。A君に時系列を追って事実確認すると反省した様子で事実を認めました。驚いたことは、「B君以外にはお金を脅し取ったことはないのか」と尋ねると別の数件の事実を述べました。御両親は、息子があまりにもひどい行為をしていたことを知り、ショックを受けていらっしゃるようでした。自主的な退学に関しては御理解いただけました

A君には「B君に逆恨みをしないようにもし何かすれば警察の問題になるとの注意も与えました。現状でも十分警察沙汰レベルの事件でしたが、B君の御両親は警察までは考えていらっしゃいませんでした。

B君から巻き上げたお金と、B君以外で被害に遭った生徒に対しては、A君の保護者の方からその金額を返していただけました。しばらくして、A君のお父さんから転学先が見つかったと御連絡が入りました。今の住まいから遠くになる学校ですが、同じ高校2年生に転学できるので安心しました。

後日、A君が私物を引き取りに、学校に挨拶に来てくれました。別れ際、互いに笑顔でがんばれよ」「ありがとうございましたで握手して別れました。B君も安心するだろうし、A君の行先も決まりよかったと思いました。

その直後のこと、三階の渡り廊下を歩いていると、私の横を後ろから一本の傘が飛んできました。思わず振り返っても、誰の姿も見えませんでした。きっと、「あいつがAを辞めさせたとの逆恨みした、A君の子分、取り巻きの仕わざでしょう。

print
いま読まれてます

  • この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け