1hに44機も。五輪を控えた東京上空に迫る航空機の轟音と身の危険

 

この要望書は、ただ反対ではなく専門家の意見も踏まえ、滑走路の方向を10度南に振り、浦安上空の通過を回避する対案を示したものです。加盟管理組合の理事長の署名押印の上、「断固たる行動もやむを得ない」とする「浦安の住民の意思を示すものでした。地元出身の国会議員の尽力もあり、直接、航空局長に手渡すことができ、運動の大きな原動力になりました。

最終的に、国土国交省は、滑走路の角度を7.5度、さらに誘導方法で2度、あわせて9.5度ふる変更を承認しました。浦安市と連合会が要望したものに近い形で、変更が決まったのです。最終決着の時は、国土交通大臣室にまで行って大臣と懇談したことを思い出します。

で、飛行ルートは変更になり浦安市上空の通過は回避されましたが、風向きによって、浦安市沖を飛行する場合、やはり、それなりの騒音はあります。かなり水平距離も、それなりの高さがあっても、音は聞こえるのです。自動車や電車の騒音が皆無の静かな地域なので、エンジン音と言えば航空機です。何だか、気にしながらブログを書いているせいか、今日は、けっこぅ音が聞こえる気がします(笑)。

私たちは、変更の対案を示させたのでお互いに歩み寄った決着がつきましたが、羽田発着便を増やさなければならないというのは、国の政策上、経済政策上、避けられない状況なので、都心飛行ルートもやむなしと思い、あまり議論が盛り上がらないのでしょうか。

こういう共通した問題が持ち上がったときは、影響がある地域のタワーマンションが連携して、何らかの要望を出すチャンスなんだけどな…と私が言うと、不動産業界にくわしい知人が、「ほとんどの人がまだ自分事としての関心がないんだよ。該当地域の新築タワーマンションの売れ行きにも飛行ルートのことは関係していないみたいだし…」と。

先日、浦安住宅管理組合連合会の新年会がありました。管理組合はもちろんですが、市長以下、市の担当部署の方々も皆さん参加され、情報交換がありました。やはり、管理組合の横のつながりが普段からあり、行政とも常に情報交換していて、いざというときに連携できる体制があるのは大事なことだと改めて思いました。

羽田沖飛行ルート変更を勝ち取った成果は、浦安住宅管理組合で語り継がれる連携することによる一番の成果です。

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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