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探偵が脅迫覚悟で暴露。女子中学生髪切り事件の驚くべき異常事態

以前掲載し大きな反響があった「探偵が激怒。女子中学生髪切り事件の黒塗りだらけな調査委員名簿」では、事件が起きた山梨市の学校関係者や教育委員会の異常性をお伝えしましたが、さらに驚きの新展開があったようです。今回のメルマガ『伝説の探偵』では現役探偵で当事件の被害者に寄り添い続けている阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、脅迫を受けること覚悟で「山梨市の異常な教育自治」を暴露しています。

【関連記事】● 探偵が激怒。女子中学生髪切り事件の黒塗りだらけな調査委員名簿

山梨、髪切り事件に新展開が!異常な教育自治が明らかになる

2019年2月26日、前日あたりから情報は入っていたが、驚くべき事態が起きた。多くはこう報道された。

山梨県山梨市教育委員会は、市立中学校で2016年6月に当時2年生だった元女子生徒が女性教諭に校内で髪を切られた後、不登校になった問題を調査した第三者委員会の最終報告書を公表した。本人から髪を切る同意を得ていたが、保護者への事前確認を怠り、美容院へ行くよう促すなどの代替措置を取らなかった点などを「不適切な対応だった」と指摘した。報告書によると、元生徒はいじめアンケートに体のにおいに関する周囲の反応を記載。

はっきり言うと、重要な点が全く違うのだ。この報道のみ見れば、まるで髪切りの被害者はモンスターに思えてしまうだろう。

第三者委員会黒塗り開示事件

そして、この髪切り事件は、そもそも第三者委員会のメンバーが黒塗りで表示されていたことが問題となっていた。被害側は、これを不服として審査請求をしていたが、結果的に開示されている。

1.の人物については、当時の被害側についていた弁護士の事務所の近くに事務所を構えているそうだが、それ自体は問題とならないだろう。

2.の人物は問題山積みである。この人物は被害者側が相談していた機関の職員であり相談員の直属の上司であった。センターでは問い合わせはないとしているが、中にいる人間がいちいち問い合わせをするであろうか…。

3.の人物は、スクールソーシャルワーカーの派遣元の所属であり、存在としては近いと言える人物である。

4.の人物は、確かに心の専門家であるが、小児脳神経学が専門であり、本件事案に係る問題との専門性については」がつく。

審査請求に関する答申によれば、山梨市教育委員会が、「学校事故詳細調査会名簿」を非公開にした大きく2つの理由(公開すると圧力をかけらる、個人情報である)についてを認められないとしており、調査委員の氏名が公表された場合に前述2.にあたる人物について「相談支援業務に支障がある」または「調査委員を続けられなくなる」について蓋然性があるとは言えず、これら特定によって不利益が生じるようであれば、それは「そもそもの人選に問題があったに過ぎないとしている。

つまり、山梨市教育委員会が名簿を公開しなかったのは、それが明らかになることで、人選問題が発生することを予め分かった上で、被害者側への公開を拒み、黒塗りにしたのである。

さらに髪切り事件から不登校に至った後に立ち上がった中学校の調査会はもっと酷いものであった。なんと髪を切った教員といじめに関する指導本件では被害者に対する人種差別問題も大きく絡むにおいて差別的発言をしていた教員もこの委員会の構成メンバーとなっていたのだ。

本人は断っていた

髪切り事件の被害者本人は、前日から髪を切ると言う指導的状況にあった。そこで、髪を切った教員から、「髪を切るのは慣れている」などと言われていたのである。しかし、それが嫌であった本人は、「家族以外に髪を切られるのは嫌だ」と話している。

髪切りの当日前夜、本人は母親に髪を切ってもらっている。そのまま登校しても、髪を教員に切られるまでの間、周囲からそれについてバカにされるようなことはなかったことからも、別段の違和感はなかったはずだ。

教員が髪を切ることに母親の同意はなかった。最終調査報告書なるもので、「本人から切る同意を得たと言うこともない

この虚偽事実の根拠は、髪を切った教員と差別指導をした教員の2名が、本人が登校時に「お母さんから先生に髪を切りそろえてもらいなさいと言われた」と言う話を直接聞いたとする証言であるが、本人はそんな話はしていないのだ。

周囲にいた生徒もそのような話はこの時は聞いていないとしている。後に、問題となった際に、先生がそういう風に言われたから切ったのに、変だねという噂を流され、それが事実だと誤認されたに過ぎないのだ。

そもそも一般教員が生徒の髪を切ることなどない。本件では、中学2年生という思春期真っ只中の女の子の髪の毛(ロングヘアー、カウンセラーからは彼女のアイデンティティ)を「工作用はさみ」で、「鏡」もなく、「くし」もない状態で、である。ますます、髪を切ることが信じ難い。

さらに、何もなく鼻血が出た程度でも保護者に報告する時代に、保護者になんの連絡もなく生徒の髪を切るということ自体極めて不自然なのだ。

あり得ない事態が、あり得ない形で起きた事件であり、その所謂加害者(教員)の話はその真意を疑わざるを得ない。私から言えば、ヤバイ理由でヤバイ奴がヤバイことをしたに他ならない。

報告書を被害側は見ていない

報道によれば、どこの記事でも「報告書によると」と記載されているが、当事者である被害側はこの閲覧を拒否されている。

さらに、記者発表についても何の断りもなく独断専行で行われたものであった。文部科学省の学校事故に関するガイドラインによれば、「詳細調査の報告書については調査の実施主体である学校の設置者等が公表すること。その際に、調査委員会又は学校の設置者は被害児童生徒等の保護者に調査結果の説明を行うこと」とあるが、ガイドラインすら無視した異常な状態が起きているのだ。

被害側への説明すら行わず、記者と世間に向けてのみ被害を受けた生徒と保護者にお詫び申し上げますと教育長は頭を下げたそうだが、これは被害者に謝っているのではないのだから、世間に向けたパフォーマンスとしか言いようはないだろう。しかも記者発表には、被害者の父親もいたとのことであるが、教育長らは完全に無視をしていたのだ。この教育長は、学校事故の申請をしようとしていた被害側を妨害し続けた当事者でもあった。

彼の名言は被害者の記録からも確認できる。

「山梨市には60人以上の不登校がいる。おたくの娘さんだけではないんです!」と言いながらも、問題となった本件のみを山梨県教育委員会に報告し、当時は都合1件の不登校、ほか60人以上いるはずの不登校は無視なのだ。もはや、異常な自治がこの教育委員会で起きているとしか言いようがない。

異常な自治状態

本件は、以前も「伝説の探偵」で取り上げたが、異常な自治状態が続いている。

中学2年生の思春期真っ只中のロングヘアーの女の子が、友達らから臭いなどといじめを受けその指導が髪を切れ」であった。なんとか母親に髪を肩あたりまで切ってもらった女の子が翌日学校へ行くと、先生からもっと切ろうと言われて、断ったのに切られてしまった。しかも、工作ハサミで、クシも鏡もなく、「よっカリスマ美容師!」とはやし立てる先生がいる状態でである。仕上がりはもはや暴力的で、左右非対称、ボサボサ頭であり、髪を切った教員は、「明日はバリカンで揃えてあげるから!」と言ったのだ。友人らからは「変だ」と笑われ、この世にいる心地がしないまま帰宅したのだ。恐怖で学校に行けなくなるのは、想像しなくても理解できるだろう。

それを学校事故だと保護者が主張すれば、教員らが「切ってくれと頼まれたんだ」と突拍子もない言い訳が出て、それが全面的に採用されるという不自然な裁定が下された。

事実を叫べば叫ぶほど、「きたりもんが地元の平穏を乱していると差別された。一方で、教育関係以外の外部の市民団体などは、この状況をよしとはせず、被害側を支援している。

第三者委員会が行なったとするアンケート調査は主に郵送にて行われたが、同級生の複数人がそうしたものは送られてきていないと首を傾げていると報告もある。委員については前述の通り、人選ミスも指摘される事態になっている。

文部科学省は、本件髪切り事件の第三者委員会の最終報告書に関する記者発表での山梨市教育委員会の対応についてガイドライン通り被害側への説明やそれなしで行なった記者発表などについて、適正に対応するよう指導をしたとのことであったが、この指導は強制力はない。つまり、この異常な自治状態を止める力組織ほとんどないのが実態なのだ。

そして、未だに事実を叫び続ける被害側(被害者本人や保護者、その支援団体や一般市民)を根絶やしにしようと、ネット掲示板などから被害側の個人情報を晒したり誹謗中傷する書き込みが後を絶たない

怒るべき事案なのだ

我が子がいる人は、我が子がいじめを受け、理不尽な指導を教師から受けたが、我が子が先生を信頼し、やってみると髪を切ったとする。ところが翌日学校へ行くと、教師から、それでは足りないからと滅茶滅茶な頭にされて帰ってきて、よりいじめられていたら、どうするか?と想像してほしい。

我が子がいないのであれば、自分が好きな子がそんな理不尽を受けたらどうするか考えてほしいのだ。

どこに先生に工作ハサミで髪を切ってくれと頼む親がいるのだ。こんな嘘を誰が信じようというのだ

第三者委員会についても、委員自体の専門性などは十分あるとか、人柄はいいとかは、当たり前のことであり、それよりも重要視されるのは、利害関係や中立公平に担保する環境があるか否かなのであり、審査会に人選ミスだと指摘されるようでは、いたずらに市民の血税を浪費し、ましてや被害者本人の時間を弄び、その保護者を精神的にも肉体的にも金銭面においても浪費させたに過ぎない。委員自体にも貴重な時間を無為に消費させたことになり得るのだ。

こんな杜撰なことをして、誰が得をするのか?よく考えれば、誰によって何が起きようとしているのか容易に想像がつくだろう。こんなことが未だに許されていること自体、私はこの教育行政はどうなっているのか、疑問を持たざるを得ない。まさに怒るべき事態だ。

編集後記

きっとこの記事の後も脅迫が来るでしょう。前回の山口県大島商船高等専門学校のいじめ事件の記事「探偵が暴露。あまりにも酷い大島商船高専いじめ自殺事件の実態」がまぐまぐニュースで出た次の日、脅迫的内容のメールが来ました学校の関係者から…。正直に事実を言う者の口を塞ごうとするのでしょう。

私には利害関係も地元の有力者の影響もほとんどないので、コントロールできませんから。そして組織には力関係や派閥などの人間関係から私と手を結ぼうとする者もいるのです。つまりは、情報は中からズルズル漏れることもあるということです。

脅されると、より燃えてきます…。

きっと私という人間を理解できていないのでしょうね。人を盾にするということは、その盾を傷つけられないということです。盾がなくなれば、私の矛は確実に相手をとらえます。

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image by: 伝説の探偵

阿部泰尚この著者の記事一覧

社会問題を探偵調査を活用して実態解明し、解決する活動を毎月報告。社会問題についての基本的知識やあまり公開されていないデータも公開する。2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
まぐまぐよりメルマガ(有料)を発行するにあたり、その1部を本誌でレポートする社会貢献活動に利用する社会貢献型メルマガ。

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