中国を喜ばせるな。北方領土問題解決は後回しにすべき理由

kitano20190320
 

3月14日、プーチン大統領が非公開の会合で「日ロの北方領土交渉は失速した」との発言をしたことが明らかになりました。これを受け、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは、日ロ関係に再び生じ始めた亀裂が、米中など周辺諸国と我が国の関係に悪影響を与える理由を詳しく解説し、今後日本がとるべき戦略について記しています。

プーチン「4島返還には【日米安保解消】が必要」!!!!!!!

今回は、北方領土の話。北方領土問題、昨年11月、安倍総理は大きな転換をされました。なんと、「1956年の日ソ共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる」と宣言した。

これがなぜ大きな転換」?日ソ共同宣言の骨子は、「平和条約締結後、歯舞、色丹を返還する」。これを基礎にするということは、日本政府は、これまでの「4島一括返還から、「2島返還かわった」ことを意味している。

一昔前、「2島返還論者」は、冗談でなく「国賊扱い」されていました。鈴木宗男さんや佐藤優さんが逮捕されたのも、これを主張したことと関係があるのでしょうか?

しかし、今度は、総理大臣が2島返還をいいだした。だから、「大転換」なのです。

2島も難しいという現実

ところが…。前々から書いていますが、ロシアにとっては、「戦争で強奪した土地を返す」のは、「4島でも大損」「2島でも大損」なのです。日本は、「ロシアは奪った土地を返すのが当然だ!」と思っています。しかし、ロシア側の意識は、「戦争で勝ったら土地を奪うのが当然だ」というもの。

「日本がポツダム宣言を受け入れた後に侵攻した」とか「ソ連が日ソ中立条約破棄を通告したのは45年4月。失効は46年4月のはずではないか!」とか、自国に都合の悪い事実は、全部スルーします。ロシア国民は、これらの事実を知らされていない。そして、「ロシア善の戦勝国というレジェンドを74年間聞かされて育った。だから、「日本から返すのが当然」といわれても、困ってしまう。

彼らは、たとえばこんな風にいいます。「ロシアと日本は、1875年の樺太・千島交換条約で、樺太はロシア領、千島列島は日本領と定めた。にもかかわらず、日ロ戦争の結果、日本は、南樺太を奪った。日本が戦争で勝ったときは、ロシアの領土を奪う。しかし、ロシアが勝ったときは、『固有の領土だから奪うのはダメだ!』という。変な論理じゃないか?」とか、「ケーニヒスベルグは、ドイツ領だった。第2次大戦後はソ連領になり、今はカリーニングラードという。そのことに文句をいうドイツ人はいない」とか。

まあ、いずれにしてもロシアは、「悪いことをしたとは1ミリも考えていないので、「固有の領土だから返してくれ」といわれても、「意味わかんない」という感じなのです。28年モスクワに住んで、「返すべきだというロシア人は全然いませんでした。たまにいたと思ったら、中央アジアとか、コーカサス系の人だったり。あるいは子供が、「ロシアは世界一大きな国。だから小さな日本に島をプレゼントしてもいいじゃない?」と無邪気に語ったり…。

印刷する

人気のオススメ記事

  • 中国を喜ばせるな。北方領土問題解決は後回しにすべき理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け
  • ついでに読みたい