中国を喜ばせるな。北方領土問題解決は後回しにすべき理由

 

金儲けの話をしよう

今回のプーチン発言。日本でまた、「反ロシアの機運が高まる可能性があります。しかし、「リアリスト」の皆さまは、是非冷静であってください。私たちは、「感情的」ではなく、「戦略的」に物事を考えるのです。

では、無茶をいうプーチン・ロシアと、これからどうつきあっていけばいいのでしょうか?簡単です。「領土問題」(=平和条約)の話は、減らして、「金儲け」の話をたくさんすればいい。

日ロ関係を見ると、はっきりした法則性がみえてきます。

1.平和条約=島返せ交渉していると、日ロ関係は悪化する

これは、「4島返還でも2島返還でも、いずれにしてもロシアにとって『大損』」だからです。皆さんも、自分が損する話、聞きたくないでしょう?できることなら、「確実に儲かる話」を聞きたいですね?それで、

2.金儲けの話をしている時、日ロ関係は改善される

安倍総理が、最近平和条約(島返せ)の話しかしなくなった。それで、日ロ関係は、また悪くなってきました。習近平の顔がニコニコしているでしょう?日ロ関係が悪化すると彼はとてもうれしいのです。だから、再び日ロ関係を改善しなければなりません。どうすればいいかというと、「金儲けの話」をメインにすればいい(北方領土の話もいいですが、割合を逆転するべきです)。

北方領土返還は、確かに日本国民の悲願です。しかし、中国は、「日本には尖閣だけでなく、沖縄の領有権もない!」と宣言している。

北方4島返還沖縄防衛」。この2つで優先順位をつければ、いうまでもなく「沖縄防衛が最優先課題でしょう。だから、日本は、ロシアとの関係を改善させるべきです。

繰り返しますが、これをいっているのは私だけではありません。リアリスト神ミアシャイマーさんも、世界一の戦略家ルトワックさんも、同じことをいっています。

image by: Instagram(首相官邸)

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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