安心してください、損してませんよ。65歳で年金が減るって本当?

 

昭和17年6月(昭和16年3月11日公布)から始まった労働者年金保険(当時は現業男子のみが対象だった。昭和19年10月から事務系男子と女子も加入できるようになって厚生年金保険と名称変更)は報酬比例部分一本だった。税金投入も厚生年金には10%の国庫負担がされていた(今は国民年金に集中して税負担されている。基礎年金の2分の1を税負担)。

しかし、過去は税金も投入されてる報酬比例だけだと給料が高い人には厚い社会保障となり、給料の低かった人には薄い社会保障となる為に最低保障部分を作る意味で昭和29年5月の厚生年金大改正で定額部分というのが作られた。

第二次世界大戦の頃に作られた年金と背景など(2018年8月の有料メルマガバックナンバー)

これは当時は農村部の生活保護基準を参考にして作られたものであり、まあ…最低でも生活保護基準は支給すべきだよねって事でその生活保護基準をもとに定額の年金額が設定された。

昭和61年4月から、その定額部分という年金を無くして廃止した。もう定額部分なんて無くして、概ね給付水準が同じくらいの国民年金から代わりに老齢基礎年金を支給しまーす!ってなった。

でも先ほども申し上げたように、いきなり廃止しないからすこーしずつ支給開始年齢を引き上げながら廃止していく。この定額部分の支給は昭和29年4月1日以前生まれの女子をもって、完全にその役割を終える(例外の特例はあるけども)。

なお、65歳前の報酬比例部分の年金も昭和41年4月1日以前生まれの女子(男子は昭和36年4月1日以前生まれ)までをもって役割を終える。

厚生年金はどうして男女で5年の差があるのか(参考記事)

ギリギリ定額部分が支給される昭和29年4月1日生まれの女子だったら、今年65歳になる人だから65歳からは完全に国民年金からの老齢基礎年金へとバトンタッチされる。

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