金正恩がわざわざ訪露してまでプーチンと「世間話」をした理由

 

表に出せない事情

金とプーチンは会いましたが、合意文書はなかった。これはなぜでしょうか?

北は国連安保理の厳しい制裁下にある。だから、ロシアは表立って経済支援を実施するとはいえない。そういったら、「安保理決議違反」で、アメリカは対ロシア制裁を強化するでしょう。(国連安保理は、ロシアに制裁できません。なぜならロシアと中国が拒否権を使うから。しかし、アメリカと欧州は、独自制裁を強化することはできます)。

だから、表向きは、「世間話しただけ」ということになった。

実際は、「制裁違反のこっそり支援を増やすことなどで合意した可能性はあります。しかし、私には証拠もありませんし、断言することもできません。

ロシアにとって、「緩衝国家北朝鮮が存続することは間違いなく国益」です。さらに、金体制が存続することも「国益」でしょう。ですから、プーチンは、これからも金支援をつづけていくことでしょう。そして、ロシア、中国、北朝鮮、韓国で「段階的非核化論」を拡散し、「アメリカだまし」を目指します。

日本はいままでどおり、ぶれることなく、「完全非核化したら制裁解除体制保証経済支援だ!」でいきましょう。それが日本の国益です。

image by:  ID1974 / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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