反撃の習近平。米にキレた中国が目論む「新・国連」結成の現実味

 

米国とロシア、欧州

このため、将来的に米中は全面対決になることが予想でき、米国は軍事的な面でも、中国と対決することになり、対抗上、米国はロシアとの関係を正常化することになる。ベネズエラ紛争に軍事介入を模索するボルトン補佐官に対して、トランプ大統領は不満と述べているが、ロシアとの関係正常化をしたいのに、ボルトン補佐官が邪魔をしていると見ている。それとロシアに対する経済制裁を解除することになる。

その代わりに中東でのイラン支援を中止することで取引が成立すると思う。トランプ大統領は、福音派の支持を得るためにイスラエル支援をすることが必要であり、イラン・イスラエル戦争のときにロシアが中立になることで折り合うはず。イランとの戦争に備えることの方が、破綻国家南米ベネズエラより重要性が高い。

このように米国は中国と全面対決になるが、同盟国の日本なども軍事的な面では米国陣営にいるが経済面では中国陣営にも参加することになる。

欧州は、中東での緊張を引き起こす米国にいや気が差していることと、中国との関係を強化して、欧中大陸横断鉄道貨物便で大量の物資を相互に運び、ビジネスを構築しているので、経済的技術的な面での中国包囲網には加わらないが、軍事面では日本との関係から一定程度の南シナ海や朝鮮半島周辺でのパトロールには参加している。

しかし、いつかは米中戦争に発展するのではないかと心配になる。その時、日本は、どちらの陣営に居ても米中戦争の最前線になることが確実である。

中東戦争準備

原子力空母「リンカーン」を中東に送り、ドイツに向かっていたポンペオ国務長官がイラクに急遽飛び、イラク駐留米軍に攻撃を計画しているイラン革命防衛隊に対する対応をイラク政府とクルド勢力政府に要求してきたようである。

反対に、イランは、米国イスラエルとの戦争を覚悟しているように感じる。原油を禁輸されて、核合意を一部破棄して、核開発に乗り出すという。革命防衛隊は、対艦ミサイルを積み込み、米軍艦隊を狙っているとイスラエル情報機関であるモサドが米国に通報したと報道されている。

しかし、米同盟国であったトルコは、イラン産原油を輸入して、イランと直接インターネットを接続して、イランを支援することを表明している。トルコがイラン・サイドに着く可能性がある。条件として、トルコ系住民がいるシリアのイドリブ攻撃を止めることになると見るが、この地域の敵と味方が、知らぬ間に入れ替わるので、全体情勢が見えない状況になっている。

米国の味方は、イスラエルとクルド人勢力しかいない。サウジは中立を保つことになる。そのため、米ロ対決にしたくないので、米国はロシアの中立化が必要になっているのである。

どちらにしても、中東戦争直前の状態になっている。

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