聞こえる軍靴の音。中国人民解放軍の暴走が招く第3次世界大戦

 

米中貿易摩擦から米中文明競争に

トランプ大統領は、米中通商交渉の決裂を受けて、第4弾の中国輸入品全てに対して関税25%UPにすることと、安全保障を理由にファーウェイなど中国最先端企業との取引禁止をして、米中貿易摩擦は、米中ハイテク戦争に変化している。

これに対して、中国の習近平国家主席は、「アジア文明対話大会」の開幕式で演説し、「自らの人種や文明が優れているとしてほかの文明を改造し、果ては取って代わろうとするやり方は愚かで破滅を招く」と述べ、「文明間の交流は対等で平等、多元的であるべきで、強制的で一方的なものであってはならない」と米国の強引な取引に文明論を持って対抗するとした。理屈ではなく、文明の問題としたことで、米中関係は文明戦争に発展したようである。

事実、人民日報は米国製品不買運動を呼び掛け始めている。今後、米国企業の製品は、中国市場では売れないことになったようである。中国人旅行者も米国に行かないことになり、一方、米国は、中国人留学生や研究者を追い出し、中国語や中国文化を教えていた孔子学園を強制的に閉鎖するという。

米国圏と中国圏の分離と日EU圏

次に、米中の市場や移動圏が分離して、米国企業製品が中国には入れないし、中国企業製品は、米国と同盟国には入れないことになる。どこで作っても中国と米国企業製品は違う市場では売れない。製品に使用する部品についても同様なことになる。

このため、中国企業の安い製品が、米国と同盟諸国には供給されなくなり、価格が安定することになる。米国圏と中国圏の分離が起きて、その勢力圏争いが起きるはずである。最後には、米中戦争熱戦に発展する可能性が出てきた。

しかし、米国は、日本やEUを米国勢力圏から除外する可能性がある。米国圏は、北米のみの可能性が出てきた。関税UP除外範囲を見ると北米しかない。米国の偏狭な考えに失望する。

このため、日本とEUは両方の勢力範囲に入らずに、日EU圏を作る必要になってきたようだ。ドイツのメルケル首相は米国を同盟国とは認めない」と言ったが、しかし、中国とも同盟国ではないので、中立的な立場になる。そして、この中立的な立場で、米中が戦争になることを防止する立場になると見る。日本はTPPという環太平洋圏も作り、この中立的な立場の範囲を広げている。今後も広げていくことである。

中国の軍部の暴走

一番心配なのが、中国の体制である。体制的に党の下に軍部と政府が割れていて、政府の言うことを軍は聞く必要がない。党の組織は弱く、軍部を抑えられないので、軍部の強硬な行動を誘発してしまいがちである。

もう1つの問題が、中国経済は今後大きく落ち込んでしまい、軍予算を減らそうとすることになる。このため、軍部は予算を獲得するために、戦前の日本と同じように、対米戦争準備に突き進んでしまう可能性がある。

特に台湾武力統一を習近平国家主席が言ったことは大きい。その発言後、台湾への締め付けが大きくなり、尖閣諸島への締め付けも大きくなっている。軍事費増加率は経済成長率より大きくなり、軍部の権限を拡大させている。戦前の日本を見ているような感じになってきた。

その上に、米国との文明戦争となり、対米戦争の準備をし始めている。対して、米国は台湾への援助を強化している。これは大変なことになると、心配になる。

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