そして、最後の幸運は、このマンションの終活にコミットして動いてくれた管理会社の担当者がいたこと…です。これらが重なって、マンションの終活に成功した事例だと思います。私には、奇跡のように思えます。
これが、人が生活している都市部の管理不全マンションになると、終活はより複雑になります。そこには、
- ここが終の棲家と考える高齢者
- 相続放棄された住戸
- 少しで高く売れるところに売りたいと考える相続人
- 価格が安く、管理費等も安いから…という理由で、専有部分をリノベーションして購入した人
等が混在しているのです。将来の方向性の議論ができないまま、様々な思惑の人たちが綱渡りのように運営しているのです。
先日、マンションコミュニティ研究会の勉強会で、管理不全マンションの実態をたっぷり聞きました。人が暮らしている管理不全マンションは、いろいろな人がいるから合意形成がたいへんですが、人が暮らしているからこそ、ぎりぎりのところで、ここを立て直していこうというモチベーションが生まれてくるのだということも感じました。誰かが道筋を整理し、背中を押してあげることで…。
そのお話はまた別の機会に。
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