ホルムズ海峡で日本企業タンカーに砲撃。識者「イランに見せかけたい勢力か」

2019.06.13
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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中東のオマーン湾のホルムズ海峡付近で13日、石油タンカー2隻が砲撃を受けたと、世耕経産相が発表した。時事通信、共同通信、NHKなどが速報で伝えた。バーレーンに司令部を置く米海軍第5艦隊は声明で、「攻撃の情報は承知している。救難信号を2度受信し、海軍艦艇が現場海域で救援活動を行っている」と明らかにしたという。日本人の乗組員はいないとしている。

このうち1隻は日本企業の海運会社「国華産業」(東京・千代田区)のタンカー「KOKUKA Courageous」で、報道によるとパナマ船籍のケミカルタンカーだという。国華産業によると、乗組員はフィリピン人21人。同船はシンガポールとタイに向かっていたとしている。現場海域は原油輸送の大動脈「ホルムズ海峡」近く。なお、報道によると、攻撃を受けたタンカー2隻の乗組員は計44人。うち1隻の1人が軽傷を負ったという。イランの現地メディアは、「乗組員は近くを航行したイラン船舶に救助され、イラン南部ホルムズガン州の港に搬送されたと報じた。

一方、もう1隻の船は「フロント・アルタイル」という船名だとし、ロイター通信によると、このタンカーを所有するノルウェーの船会社の話として船体から火が出ている、と伝えている。

安倍晋三首相は同日、日本企業のタンカー攻撃を受けて、関係国と連携し、情報収集と乗組員の安全確保に万全を期すよう関係省庁に指示したと内閣官房が発表した。

識者の話「イランとの融和へのシフトを望まない勢力か?」

数々の国際舞台で交渉人を務めた、メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』の著者で、シリアにて拘束されていたジャーナリスト・安田純平さんとの公開対談も6/19に予定されている国際交渉人の島田久仁彦さんは、MAG2 NEWSの取材に答え、今回の魚雷攻撃について、

島田:タイミングとしては、いろいろ勘繰りたくなりますが、本件は恐らく偶発的な事態かと思います。ただ、現状を変えられることに反感を抱く、一部の周辺国からの警告的な意味合いがあるかもしれないとも考えられます。

実際に誰がこのような事態を引き起こしたかはわかりませんが、(イランとの)融和へのシフトを望まない勢力でしょう。イランの仕業に見せかけたいと考えての行動かも知れませんが、(安倍首相が)ハーメネイ師とロウハニ大統領の双方に会っていますので、今、友好国の日本の権益を襲う愚行には出ないでしょう。

と、コメント。詳報は、明日6/14発行のメルマガにて公開するとしている。(随時更新)

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