韓国のから騒ぎ。安倍首相イラン訪問を「失敗」と大喜びの韓国紙

 

それよりも、「米朝問題の仲介者」を任じていた文在寅大統領の存在感が、最近まったくないと思っていたら、習近平の6月20日21日での北朝鮮訪問が発表されました。言うまでもなく、G20を前に金正恩と会談することで、不調に終わった2月の米朝会談後の朝鮮半島問題のキャスティングボードを握ろうというのでしょう。

中国主席、20日に初訪朝=G20前に対米けん制か

G20では米中経済対立も大きな焦点の一つですが、北朝鮮問題でアメリカへ何か恩を売ることができれば米中交渉のひとつの武器になるからです。しかも、香港では刑事事件容疑者を中国本土へ引き渡すことを認める「逃亡犯条例」をめぐる反中デモが200万人にも膨れ上がってますます激化しているため、アメリカのポンペオ国務長官はこの問題をG20で提起するとしています。

トランプ氏、習近平氏に香港デモ問題提起へ G20で…国務長官表明

もちろんこれに対して中国は反対を表明し、一方的で先入観に基づいた根拠のない非難を行い、中国の内政に干渉するなら断固反対する」と反発しています。

中国、香港問題議論に「反対」=G20で対米けん制

こうしたさまざまな対立軸があることから、中国としては突然の訪朝を決めたのでしょうが、はたして思惑通りにいくでしょうか。逆に言えば、追い詰められた窮余の策という感じが否めません。

とくに香港問題は来年1月の台湾国政選挙・総統選挙にも影響を及ぼすでしょう。台湾では「今日香港、明日台湾(今日の香港は将来の台湾だ)」という言葉がよく持ち出されるようになっています。民主国家である台湾では、中国との「平和的統一が地獄への道だという意識が高まっているのです。

そして言うまでもなく、「明日の台湾は明後日の沖縄」でもあります。中国が台湾を取った次の狙いが「琉球回収」であることは、明らかだからです。

私は5月末の段階から、香港のデモについてはメルマガで論じてきました。一時は香港に諦観が広がっていましたが、しかし香港人は諦めなかったようです。

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それはともかく、習近平の訪朝で文在寅大統領は北朝鮮問題ではまったく発言力がなくなってしまうことでしょう。

もともと2月の米朝首脳会談が物別れに終わった後、韓国は北朝鮮に再度の南北首脳会談を申し入れましたがまったく無視されていました。北朝鮮からすると「言っていたことと違う」ということなのでしょう。文在寅は「6月開催も不可能ではない」と発言し、南北首脳会談実現でG20での存在感アップを狙っていましたが、中国に先を越されてしまった形です。しかも北朝鮮からの招待です。G20前の南北首脳会談は日程的なことを考えるとほとんど無理でしょう。

6月中の南北首脳会談 「物理的に不可能でない」=文大統領

しかも、G20における日韓首脳会談について、すでに5月中旬から、西村官房副長官は「困難」だと発言しており、韓国にとっては絶望的な状況です。韓国は主催国と二国間会談を行えない唯一の国」になりそうです。

G20での日韓首脳会談は「困難」 西村官房副長官

いわゆる徴用工判決をめぐり、日本政府が韓国政府に設置を要請していた仲裁委員会についても、韓国政府は応じる姿勢を見せておらず、韓国側が拒否すれば、日本政府は国際司法裁判所へ提訴する方針を表明しています。そうなれば、日韓首脳会談など絶対に不可能になるでしょう。

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