米「自作自演」説も。ホルムズ海峡タンカー襲撃、真犯人は誰か?

 

『でも、日米首脳会談時にも、トランプ大統領は安倍総理にイランとの対話のチャンネルを開けてほしいと依頼したじゃないか。なのにアメリカが日本の権益を攻撃するなんてありえないでしょう』と思われるかもしれません。

しかし、アメリカの最終決定権者はトランプ大統領ですが、実質的に対イラン政策のキープレイヤーは、国家安全保障担当のボルトン補佐官とポンペオ国務長官で、この二人は、イランとの戦争は避けたいと考えているとされるトランプ大統領とは違い、『イランに関する問題、特にイスラエルとの緊張関係、そしてアラブ周辺の同盟国との緊張関係を解くには、今、イランを叩いておくべき』との立場であるようです。

だとすれば、今回の件を自作自演するモティベーションはあるはずです。それを勘繰りたくなるのが、日米首脳会談時に同席したボルトン補佐官が、安倍総理に対して『今がベストタイミングだと思う』と同意したのは、ピンポイントでこの時期に本件を引き起こす算段をしたのではないかという点です。

ここまでくるとconspiracy theoryの類になりそうなのでこのあたりで止めますが、『今回、事件が起きてすぐにアメリカがイランを名指しし、突っ込みどころ満載の動画まで出してきてイランのせいにしようとした』という点から、やっぱりちょっと引っかかるのです。あまりにも用意周到に思えませんか。

(5)「Team B」のサウジアラビア・UAE

5つ目は、4つ目のアメリカの自作自演との兼ね合いで考え得るactorとして『サウジアラビア・UAE』が考えられるのではないかという点です。

イラン外相が用いた【Team B】という表現をご存知でしょうか。これは、アメリカのBolton補佐官、イスラエルのBenjamin Netanyahu首相、サウジアラビアのMohamed bin Salman皇太子、そしてアラブ首長国連邦のKhalīfa bin Zāyid bin Sultān Āl Nuhayyān大統領(アブダビ首長国の首長)の4名のBを取っており、その4名すべてに共通するのが『強烈な反イラン』です。 今回の事件を、この【Team B】の仕業だとする見解は、かなりの信憑性があるように思えます。恐らく実行したのは、サウジ系やUAE系の勢力かと思いますが、その計画を事前に知っていたボルトン補佐官が第5艦隊に今回被害を受けた艦船のフォローを指示し、証拠映像を押さえたのではないかという見解です。

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