7月以降、順次変更。優しくなった障害年金更新の診断書提出期限

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障害年金の支給が決定した場合、その後は1年から5年の間隔で提出する診断書の内容により年金額の決定等が行われるルールとなっていますが、診断書作成期間がこれまで1ヶ月しかなく、受給者泣かせの一面もありました。そんな手続きのルールが今年変更されたとのことで、無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』の著者・hirokiさんが今回、詳しく解説してくださっています。

障害年金の更新の診断書提出期限は今年8月生まれの人からは従来より緩やかになっている

障害年金というのは一度支給決定後は、その後は1~5年間隔で有期に診断書を提出してもらう必要があります(傷病がもう治る見込みがない人は永久に支給される人もいる。永久認定という)。障害年金支給開始後に、この一定の期間ごとに出してもらう診断書を「更新の診断書」といいます。この診断書は1~5年後の誕生月の前月ごろに届き、誕生月の末日までの提出が必要です。例えば2月生まれの人なら、1月末から2月初旬にかけて診断書が届き、2月末までに提出してもらうという流れ。

診断書が届いてから提出期限は誕生月の1ヶ月しかないから診断書を作成してもらうとか、病院への通院予約を取る面では診察や医師による診断書作成を急ぐ必要がありました。お医者さんは激務だから早め早めに診断書作成を依頼する必要がある(記載ミスとか、もしくは患者さんの状態が正しく反映されてないと修正とかにまた時間かかってしまう。なお、診断書の文書は医師しか手を付けてはいけない)。この期限までに診断書を提出できなければ年金が差し止められる事もある。差し止められてもその後提出すれば差し止められた時に遡って年金が支給される。

しかし、令和元年の8月以降に誕生月を迎える人からは3ヶ月前の前月(8月生まれなら5月末ごろ)に診断書が届き、誕生月以前3ヶ月以内(8月誕生月なら6月1日から8月31日までの現症を元に8月31日までに提出)の症状を元に診断書を医師に作成して年金機構に提出してもらいます。

診断書提出の手続きの変更について(日本年金機構)

こういう取り扱い変更のお知らせは令和元年5月ごろから送付されている。今までは誕生月の前月末ごろに届く診断書を、誕生月中の症状を元に診断書を作成してもらう必要がありました。今年からは誕生月から3ヶ月以内になって十分な提出期間が設けられるように変更されて余裕を持って提出出来るようになりました。

ちなみになぜ再度そのように診断書を提出する必要があるのかというと、その数年後に症状がどのようになってるのかを確認する為です。傷病は悪化したり、回復したりするからですね。

その時の診断書の内容をもとに障害年金受給の等級にまだ該当してるのかどうかを確認して、等級が上がれば年金額が増額し、等級が下がれば年金額が下がるもしくは等級に該当しないなら年金を停止するという事を決めないといけないから。


※例

国民年金の障害基礎年金2級なら定額の年額780,100円(令和元年度価額月額65,008円)ですが、1級になると1.25倍の975,125円(月額81,260円)に増額。3級以下に等級が落ちると年金が全額停止となる(厚生年金は3級まで年金があり、3級は年額585,100円が最低でも保障)


なお、等級が前回と変わらなければそのまま今までの年金額が保障される。次回診断書の提出の時期がお知らせとなり、またその時期に更新の診断書が来る。更新の診断書を提出してからの結果通知は最低でも3~4ヶ月はかかる。なかなか結果通知が来なくて不安になる受給者の方も多いですけど、3ヶ月は待ってもらう必要がありますね^^;

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