3番目は、契約書、契約社会ということです。今回の吉本興業の場合は、契約書がないということが問題になっています。大企業であるのに、これは民事上のリスクを抱えた大変な状態だと思うのですが、同時に所属タレントにとっても、文書で契約がキチンと決まっていないというのは大きなストレスだと思います。
考えてみれば、契約書というのが日本社会では、まだ十分に徹底していないように思います。いわゆるコンプライアンス(形式主義ですが)への関心の高まりで、契約書を交わす例が増えてはいますが、まだまだです。
例えば、文書で契約書を作ると、そこに国が介入してきて収入印紙を貼らせるという法律があるのも問題ですが、契約書は見るだけ、1通しかなく会社が保管、契約書を担保に取る、あるいは就業規則は渡さない、就業規則の守秘義務がやたらにキツイなどといった違法な運用がまだまだ横行しているように思います。
日本社会がもっとオープンになって、一人一人が安心して働くことができるためには、この契約書をキチンとするという問題も重要です。
その意味で、現在、芸能界を揺るがせている問題は、決して人ごとではないのです。
image by: 吉本興業
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