山梨学院には絶対的なエースはいない代わり、さまざまなタイプが揃う。継投策に欠かせないのはサイドスローの存在だ。サイドの球筋は高校野球ならではのメリットがある。ストライクゾーンが広い。高校野球を勝ち抜くには左腕が必要不可欠である。ピッチャーの「性格」を重視した継投策もある。ピッチャーに「まだいけるのか?」と聞くのは厳禁。球種を隠して相手を混乱させる。
「継投の一番いいところは『みんなで勝った』という充実感があることです。マウンドに送り出したブルペンキャッチャーも喜ぶことができる。ピッチャーで言えば、試合で投げるチャンスが増えるので、生徒達自身で生きる道を探すようになりました」と著者は、継投で勝つことは高校野球の理想の在り方であると結論づける。高校野球関係者はみんな読んでいるはずの良書だ。
編集長 柴田忠男
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