韓国を襲う完全なる孤立。GSOMIA破棄とボルトン補佐官解任の余波

 

ロシア政府については、もっと露骨に“韓国を完全無視する”という対応になっています。先日、安倍総理も出席したウラジオストックでのフォーラムにも、極東地域からは遠いインドのモディ首相が招かれる中、“隣国”であるはずの韓国の文大統領は招待されませんでした。

モスクワの政府筋の友人たちに聞いてみたところ、「ああ、韓国ね。今、何か話さなくてはいけないことは皆無だ。それにいろんな会議に出ては、日韓の問題を持ち出して、場を乱す。全く常識外れな行動が目立つため、ロシア政府は文政権の韓国を招待はしない」とのきつい反応がありました。北朝鮮をめぐる情報も一切韓国との共有はなく、また先日は、GSOMIA破棄の動きに挑戦するかのように、中国とともに竹島上空を飛行するという威嚇行為に出ています。

そして、我が国日本はどうでしょうか。すでに両国間でもろもろの問題が山積していますので言うまでもありませんが、現時点では、日本と韓国の間の外交関係は最悪と言ってもよい状況です。これまでは歴史認識を巡る反日運動が起きて関係が悪化した際にも、民間レベルでの交流や分野交流、そしてビジネスを通じて、“良好な”関係維持に努めてきました。しかし、文政権下での一連の反日の動きに対し、両国ともに、過剰反応が起きていて、文化交流も、ビジネスもままならない状況に陥っています。

そして、9月11日に行われた安倍内閣の内閣改造は、政権としての韓国への毅然とした態度をとる体制になったという見方もできます。特に、河野太郎氏を外務大臣から防衛大臣にスライドさせた人事は、結構なメッセージを韓国に与えているようです(実際の安倍総理のお考えは知る由もありませんが)。

ボルトン氏は、安全保障担当大統領補佐官としてソウルを訪れ、韓国政府にGSOMIAの継続を、米国政府の意向として伝えましたが、韓国政府はその“意向”を踏みにじりました。すでにそのボルトン氏は下野していますが、GSOMIAにかかるアメリカ政府の意向を無視し、踏みにじったという印象だけは、政府内に明確に残していったようです。

ボルトン氏の盟友であるハリス駐韓米国大使もその思いを共有しているようで、GSOMIA破棄通告後、一貫して韓国政府からの面会要請を拒否しています。韓国政府にとってアメリカ政府への窓口たる大使と話すことができない状況は、もう末期症状と言っても過言ではないかもしれません。

ボルトン氏は、『対北朝鮮への圧力の維持』という視点でGSOMIA継続を韓国に求めていましたが、自らが政権を去ることで、皮肉なことに北朝鮮への圧力は弱まり、対話の機運が高まりました。それにより、完全に全面衝突で停滞していた米朝間の協議が何らかの部分では前に進むかもしれません。そうすると、もうアメリカにとっても、北朝鮮にとっても、韓国の存在は不必要になってしまうでしょう。

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