もう存在意義なし? これからの「問屋」にできる事、できない事

 

問屋さんのマーケティング

問屋さんは、誰を「顧客」としているでしょうか。「スポーツショップ」と答えられるかもしれません。それはそれで正しい答ですが、マーケティング的には、「その先の顧客」にも目を向けることです。

例えば、お店の「顧客」である、部活の学生や監督・コーチ。さらに言えば、試合の観客やサポーター、ファンといった「その先の顧客」に目を向けてはいかがでしょう。そうすれば、「メーカーの売れ筋商品」だけに目が行くことはないような気がします。

次は「何を」です。「その先の顧客」が決まりました。その「顧客」には何が提供できるでしょう。例えば、選手のコンディション管理をするツール、試合や技術のデータ分析ができるツール、観客のデータを分析できるツール、指導者育成プログラム。といったものはどうでしょう。

また問屋さんには、それ以外にも提供できるものがあります。それは、「お店の手間を軽減できる」サービスです。例えば、「人事」や「商品管理」に関するノウハウはどうでしょう。人事評価表や各種規定の作成や運用ノウハウ、商品管理や顧客管理のデータ分析サービスなど、お店にとって有益なものが、いくつも考えられます。

その次は「どうやって」です。これらのサービスやデータ、ノウハウの提供をするには「小売マーケティング」を専門に行う部署が必要です。その部署は、スポーツテクノロジーの情報に通じていなければなりません。ITに通じた人材も必要です。デジタルマーケティングの手法にも詳しい必要があります。

つまり、今まで活躍してきた人たちではなく、若い柔軟な考えをもった人たちが必要です。そうした部署を新たに作って、新しい発想の戦略を考えます。もう、今までの「商品」や「販売先」だけを考える体制から抜け出しましょう。そうすれば、問屋さんの存在意義は復活します。

いかがでしょうか。「誰に、何を、どうやって」提供するかということを真剣に考えてみては。それこそが、問屋さんのビジネスに変化をもたらすことにつながります。あなたも問屋さんに、そんな話をしてあげてください。それが、お店のためにもなることですから。

■今日のツボ■

・問屋さんは「商品」や「販路」ばかりに目が行っている
・問屋さんに必要なのは、マーケティングの考え方である
・そのためには、新たな部署を作って、ふさわしい人材を投入する

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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