なぜ65歳以上の高齢者が障害年金を請求しても断られるのか?

 

というわけで、65歳までに障害状態になった人がどういう時に請求できるのか、できないのかを簡単に見ていきましょう。

1.昭和36年7月12日生まれの男性(今は58歳)

何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法(参考記事)

国民年金強制加入である20歳到達月の昭和56年7月から平成26年10月までの400ヵ月間は厚生年金に加入。なお、これで65歳から貰える老齢厚生年金は120万円とします。平成26年11月から60歳前月の令和3年6月までの80ヶ月間は未納。未納ですが60歳までは国民年金には強制加入中(民間保険は滞納してたらすぐ解約されてしまいますけどね^^;)。

なお、59歳時の令和2年2月22日(初診日)に病院にて糖尿病による腎臓機能の低下を指摘され、このまま生活習慣を改善しなければ腎不全となって一生人工透析になる可能性があると医師から言われた。その後、一応薬は飲んでいたが多忙のため通院もサボりがちで、生活習慣も気を付けていなかった。

数年が経ち、65歳令和8年7月の5ヶ月後に酷い体調不良を訴えて病院に行って人工透析となる。人工透析は障害年金では2級になる。

じゃあ、この人は障害年金は請求できるでしょうか。

まず初診日は国民年金加入中なので、支給されるとすれば障害基礎年金1級または2級のみ)。過去に厚生年金に400ヵ月も加入してますが、初診日の制度から障害年金が支給されるので一切厚生年金は反映されない。

そして初診日の前々月までの保険料を納付しなければならない期間の納付状況を見る。この男性なら20歳(昭和56年7月)から、初診日の前々月の令和元年12月までの462ヵ月。年金加入期間の462ヵ月のうちの3分の2が保険料納付済み期間または免除期間でなければならない。まあ、400ヵ月納付÷462ヵ月=86.5の納付率だから、3分の2以上(66.66%以上)は満たす。

次に、障害状態を確認する障害認定日の状態を確認する。障害認定日の初診日から1年6か月経過した日である令和3年8月22日(医師の診断書はこの日から3か月以内の症状のものを書いてもらう)。この障害認定日から障害年金請求可能となる。ところがこの障害認定日時点はそんなに症状が悪くはなかったが、その数年後の65歳超えてから人工透析まで悪化しましたよね。

一応、障害年金制度を知っていたので年金事務所に相談してみた。ダメだった。なぜかというと65歳超えていて、障害認定日以降に時が経ってから障害年金に該当するくらいに悪化した場合の請求だから。障害認定日以降に時が経って症状が悪化したから請求する障害年金を「事後重症請求」という。大半の人が後になって病状が悪化したから事後重症請求してみるというパターンですね。よって、障害年金は請求不可。

65歳以降は老齢厚生年金120万円分と、老齢基礎年金780,100円÷480ヵ月×400ヵ月=650,083円の合計1,850,083円(月額154,173円)を受給する。

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