ところがですね、もしこの男性が障害認定日時点(令和3年8月22日時点)ですでに人工透析のような障害状態2級に該当していたならば、65歳(令和8年7月11日)以上になっても請求できていた。
認定日時点ですでに2級以上(障害厚生年金の場合は3級まで)の障害状態にある場合の障害年金請求を認定日請求という。認定日請求から随分と請求忘れていても、認定日時点の症状が障害年金に該当するほどであり、診断書が医師に書いてもらえるなら65歳以上になってようが請求できる。年金も障害認定月の翌月以降5年以内の時効にかかるまでの年金は遡って一時金で支払われる。
この男性が認定日時点(現症としては令和3年8月22日から令和3年11月22日までの3ヵ月を診断書に書いてもらう)で人工透析治療を開始していたとします。とすると、65歳5ヵ月でこの認定日時点に遡って認定日請求して、障害基礎年金2級780,100円(令和元年度定額)を請求できる。
そうすると、老齢厚生年金120万円と障害基礎年金2級780,100円は同時に受給できるから、合計1,980,100円の年金受給となる。老齢厚生年金+老齢基礎年金の場合よりも年金額が多くなりましたね^^記事の冒頭で言ったように複数の種類の年金の同時受給は不可と言いましたが、平成18年4月の改正で障害基礎年金と老齢厚生年金の併給が可能になったから。
障害基礎年金受給中は老齢基礎年金は停止となる。これは障害年金受給者となっても、厚生年金に加入して働いた分の老齢厚生年金を反映させるため。
なお、65歳以降の障害年金の新規の請求は原則として不可ですが、今まで障害年金を受給してた人が65歳以降も障害年金を受給するのは何も問題はない。障害状態が続く限り障害年金の支給は続く(日本年金機構への定期的な診断書の提出は必要)。
ちなみに、障害厚生年金は老齢基礎年金や老齢厚生年金との併給は不可。障害厚生年金を受給したい場合に併給できるのは同じ種類の年金である障害基礎年金のみ。
※ 追記
事後重症請求は65歳の誕生日以降(65歳誕生日の前日)は不可になりますので、病状が悪いなあ~と思って、もし請求を考えてる人は65歳誕生日の前々日までに行わないといけない。ただし、障害年金の請求資料は集めたり書類書いたりするのに結構時間がかかるので早めに動く必要がある。せめて請求リミットの1ヵ月前までには。医師に診断書お願いしてもすぐできるわけじゃないですからね…^^;
何していいかわかんない場合はお近くの障害年金専門の社会保険労務士に相談するのが早い事もある(料金は成功報酬+消費税の場合が多いですが、おおむね年金の2ヶ月分とかそのくらいはかかる事が多い)。
それでは本日はこの辺で。
image by: Shutterstock.com