現在、フランクフルト大聖堂の向かいにある「ドームの家(Haus am Dom)」で慰安婦像が展示されています(展示期間2019年10月28日から2020年1月14日)。
この、ドームの家は教会関連施設ですが、実質的に公共施設で、教会と一般社会を繋ぐ多目的会議センターといった感じです。その道路に面した窓のひとつから見えるように、お馴染みの慰安婦像が展示されています。これはカトリック教会がお墨付きを与えたことを意味します。
その像の傍らにはカリフォルニア州グレンデール市の慰安婦像のものと同じ碑文がはめ込まれています。
「この少女は日本帝国陸軍によって自宅から連れ去られた少女を象徴しています」
こういうものを平気で展示すること自体、事実検証を完全に無視していることが明らかですが、これが反日団体のやり口なのはいつもの通りです。
しかし、今回の特色は、現地で5ユーロで売られている小冊子です。現地反日団体の代表が書いた「トンデモ本」なのですが、なんとゲーテ大学のベンジャミン・オルトマイヤーというナチスに関する教育を専門としている教授が序文を書いているのです。
1939年のポーランドへのナチス侵攻から始まった第二次世界大戦の前に、1931年、君主制ファシスト国家である日本による満州攻撃がありました….。
日本の軍国主義者が植民地化し、占領した他国の領土ではどこでも、1937年から帝国政府の指示で体系的に現地の女性達がレイプされ、虐待され、殺害されました…。
いやはや、この支離滅裂さもさることながら、どうやら現代のドイツ人は、過去の自分たちが犯した戦争犯罪は全てナチスに押し付けて、臆面もなく外国を糾弾する鉄面皮のようです。
なぜ、ドイツ軍の元慰安婦は韓国人慰安婦のように前に出てこないのでしょうか?
それは、みな収容所などで殺されてしまったからです。「元慰安婦」が存在するということは、殺されなかったことの証左なのです。
このように、海外における反日プロパガンダ活動は完全に常軌を逸しています。
歴史的事実や認識を巡る議論などというレベルではありません。単なる罵詈雑言にキリスト教や大学教授がお墨付きを与えているのです。
この状況にどう対応するのか?
従来の「もう謝罪しました。賠償もしました。日韓合意で解決済みです」では全く意味をなさないことが明らかですね。
ここで必要なのは、私がかねてより強調している「立論」です。
日本政府自身が、この問題をどう理解しているか、事実検証に基づいた明確な見解を述べなくてはなりません。
「慰安婦問題とは女性の尊厳を深く傷つけた問題である」などという曖昧模糊とした美辞麗句は百害あって一利なしです。
日本政府にはいい加減に理解して頂きたいと切に願っています。
( 山岡 鉄秀 :Twitter:https://twitter.com/jcn92977110 )
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