「25年ぶりに週末銃事件ゼロ」でニューヨークは治安向上?

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著書『武器は走りながら拾え!』も大好評。11月でNY在住20年となった米国の邦字紙『NEW YORK ビズ!』CEOの高橋克明さん。ところが、20年という歳月が高橋さんの「安全に対する尺度」を大きく変えてしまったようです。果たして、それはどういうことなのでしょうか? 自身のメルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』で、日本に住む旧友との会話を通じて分かったニューヨーカーの治安に対する価値観を明かしてくれています。

超安全シティー・NY

僕の中学校時代の同級生がNYに遊びに来るというので楽しみに待っていたところ、土壇場で「やっぱり、やめようかな」と連絡が入りました。
は?どうして!? こっちとしては、彼の日程に合わせて、当初予定されていた国内出張も延期し、スケジュールを空けて待っていたのに。 彼も、すでに飛行機とホテルも予約していたはず。

「急に怖くなっちゃってさ…」
意味が分からないまま彼の説明を聞くと、今まで海外旅行なんてハワイとソウルくらいしかない。 ニューヨークなんて、毎日銃撃戦をやってる所に観光にのこのこ出かけて死ぬのは嫌だ、とのこと。

どこが毎日銃撃戦やってる所だ?このやろう。
観光名所しか行かない中4日間の滞在で死ぬとしたら、18年間滞在してるオレは命が単純計算で1500個必要になるだろう!と説明しても、
「それは、おまえはもうニューヨーカーだから。 こっちは観光客丸出しのジャップじゃないか」と1ミリも理解できない理由を言ってきます。

世界一、観光客が多い街で、どうしてお前だけが来れない!?
その後、彼に、いかに今のニューヨークが安全であることかを延々とLINE電話で説明する羽目になりました。セプテンバーイレブン以降、機動隊も警官も街のいたるところに配置されている、ということ。彼らはもれなく、映画でしか見たことないような大型のライフルを掲げているということ。殺人暴行事件は年間で8,000件もいかないということ。これは北米50州の中でもベスト5に入るけど1位ではないということ。強盗事件数は全米2位で年間30,000件もあるけれど、婦女暴行に関しては8位で、3,000件を切ってる、下手したら10位以下も夢じゃなくなるということ、などなど…

黙って聞いてた彼は、「…なぁ。 おまえは、オレを説得しようとしてるのか?断念させようとしてるのか?」と一言。なんで!? 安全だということを説明してるのに!

「その説明を聞いて、岡山県の郊外に住んでるオレが安全だと思うか?本物のライフルなんて死ぬまで見たくねえよ」と涙声。いや、それが連中(機動隊)思ってるより、フレンドリーでさ。 一緒に写真撮ってくれたりするんだよ♪ しかもふざけちゃって、撮る瞬間、ピストルの銃口をこっちの眉間に向けたりして(事実。15年前本当にありました。 さすがに今はもうないと思うけど)。

「…もう、いい…。切る。」
いや、ちょっと待て!そうだ、先週(2018年10月)、この街が安全になってるってニュースを見たよ! ちょっと今、パソコンが目の前にあるから読みあげるね!えっと…CNNによると、「先週25年ぶりに、週末のニューヨーク市で銃撃事件がなかった」んだって! NYPD(ニューヨーク市警察)が、四半世紀ぶりに誰もこの街で撃たれなかったって発表したよ。 まぁ、それがニュースになるのもどうかと思うけど。でも、つまり、平和だってことだよ。だって誰も撃たれなかったんだよ?それにしても…それが25年ぶりってすごいな。この四半世紀、毎週末誰かが撃たれてたってことか。いや、でもそれだけ安全になったってことだよ。ただ、週末だけだよね、これ。どうせ次の日、月曜日には誰か撃たれてんだろうなぁ…でも、ほら、先週末は撃たれた人ゼロだから。な、な、な、岡山と同じだろ?

「…」
で、市長がこの記録を「並外れた実績!」と褒め称えたんだってさ。やったぜNYPD!市長にお褒めの言葉、頂いちゃった!…ただ、週末3日間銃で人が撃たれないことが「並外れた実績!」…てことは、どんだけ撃たれてたんだよ?今まで。それに、これ銃撃事件のみ対象だよね。てことは、ナイフやパイプで強盗や強姦は入ってない数字だろ?それを「並外れた」ってなぁ…で、でも、まぁ、な?記録はいいことだし…少なくとも頑張ってるんだよ、ケーサツ…あ、続きもあるよ。なになに、「ニューヨーク市の犯罪件数は全般的に減少傾向にある。2017年に起きた殺人事件は同市史上最も少なかった」だってさ。 な!減ってるんだよ!ほら!安全!…あとは…「しかし月曜の15日午後にはブロンクス地区で銃撃事件が発生し、週末の皆無の記録は続かなかった」…だっ、て、さ…。

もしもーし、もし!もし!もし、もーし…。

image by: Marco Rubino/Shutterstock

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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【著者】 高橋克明 【月額】 初月無料!月額586円(税込) 【発行周期】 毎週水曜日

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