あてが外れたKDDI社長。楽天モバイルに「ちょっとひどい」の苦言

 

ペイメントサービスで求められる「継続的なポイント発行」――QRコード決済戦争は4キャリア陣営に収束か

KDDIは2月10日よりau PAYで「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」を開催する。一人あたり最大7万ポイントを還元。しかもauユーザーだけでなく、他社ユーザーも還元が受けられるという。

ここ最近、どのPayも還元率は20%や40%と高いものの、還元額自体は1500円や3000円という上限があったため、魅力に乏しかった。au PAYのキャンペーンは、PayPayが最初に行った100億円キャンペーンに匹敵する大規模な還元額と言える。最大の7万円を還元されるには7週間で35万円分の買い物が必要となるが、家電量販店などでもau PAYが使えるため、大型家電を買うにはちょうどいいタイミングだろう。

KDDIの高橋誠社長は決済事業に対して「ペイメントサービスは、ポイントの発行が連携していないと生き残れない。通信会社はいままでのポイントの仕組みがあるので連携しておくと強い」という。

携帯電話会社のポイントサービスは毎月、発生する通信料の支払いに対してポイントが発生する。さらにPontaを取り込むことにより、街なかでもポイントが発生する仕組みがようやく整う。KDDIではau WALLETというブランドをau PAYに統一。au WALLETアプリもau PAYアプリとなり、KDDIグループの金融関連会社のシナジーを載せ「金融に強いスーパーアプリ」を目指していく。

PayPayも同様にスーパーアプリ化を狙っているが、PayPayは「これからの計画」であるのに対し、au PAYはすでに金融に関する関連会社を数多く持っているのがアドバンテージとなりそうだ。

一方、NTTドコモは「何億円を何日間とは言わない。一時的な何百億円、何日で10億円というやり方はちょっと……」(吉澤社長)とPayPayやau PAYのやり方とは距離を置くと明言。それよりも、コンビニやドラッグストアなどでのポイント還元率を上げるキャンペーンを継続的に展開していく姿勢を示した。

また、スーパーアプリ化に対しては「そういう言い方はあまりしない。そもそも、スーパーアプリの定義もよくわからない」(吉澤社長)と一刀両断。ミニアプリを載せることで利便性を上げていく。いずれにしても、QRコード決済戦争は体力勝負になってきた。早晩、大手4キャリア陣営の殴り合いになりそうだ。

image by: Ned Snowman / shutterstock

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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