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「東京五輪は2年延期が現実的」組織委理事の提唱に森会長猛反発

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の高橋治之理事が11日、取材に応じ、「ウイルスは世界中にまん延している。選手が来られなければ、五輪は成立しない。2年の延期が現実的だ」と見解を明らかにしたと毎日新聞が伝えている。

大会組織委員会理事が延期に言及

大手広告代理店「電通」元専務で、スポーツ分野に長年携わってきた高橋氏。10日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)のインタビューに、国際オリンピック委員会(IOC)が巨額の放映権料を失うため「中止はできない」として延期を提唱。組織委は報道を受け「IOCも組織委も延期や中止は一切検討していない」と否定したという。

高橋氏は朝日新聞の取材に応じ、高橋氏は個人的見解として「コロナウイルスは世界的な問題になっている。日本が大丈夫ならそれで開催できるわけではない。予定通り開幕するのがベストだが、別のプランも考えなければいけない」としたうえで、他の国際的スポーツイベントの日程が埋まっていることから、「そのすき間をぬって2年後の夏が一番可能性がある」と発言。「延期を視野に入れるなら、今から準備しないと間に合わなくなる」と語った。

さらに、大会中止の可能性は「あり得ない。放映権料などが入らなくなった場合、国際オリンピック委員会(IOC)の財政が危うくなる」と話した。公式見解と異なる趣旨の発言をした理由については「組織委への警鐘。今の状況と向き合って、危機管理の観点から競技団体などと延期した場合の方策を考える必要がある」と説明したと朝日新聞は伝えている。

この見解に対し、大会組織委員会の森喜朗会長は、「率直に申し上げて、とんでもないことをおっしゃったなというのが正直な感想ですね」と不快感をあらわにした。そのうえで、「高橋さんに電話したら『申し訳ない。口が滑ってしまった』と。計画を変えることは考えていない」と延期の可能性を否定した。

2年後に延期の根拠

電通で1984年ロサンゼルス大会から五輪にかかわり、国際的なスポーツビジネスと深い関わりを持つという高橋氏。なぜ2年後なのかという疑問には、「大会の中止や無観客での開催は経済的損失が大き過ぎる」と指摘したうえで、「1年未満の延期は、米国の野球やアメフット、欧州のサッカーなど主要なスポーツイベントとぶつかるため困難」との見方を示し、2年後への延期が最も容易との考えを提示した。1年後では他のスポーツ大会の予定がほぼ決定済みのためという。

大会組織委員会の内部から出てきた「延期の検討を」との声。森喜朗会長をはじめ、関係者は火消しに努めているが、果たしてこれはどれくらい現実的な路線なのだろうか? この報道を受け、ネットでも様々な意見が聞こえてくる。






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source:毎日新聞朝日新聞

image by: shutterstock

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