読売は安倍首相の批判避ける「作文」社説。「学校再開」各紙論評

 

全国一律休校措置に「区切り」を…

【読売】は3面の社説の2本目。タイトルは…。
 学校再開の指針 気を緩めず感染防止の徹底を

uttiiの眼

「全国一律の休校措置に区切りをつけ、各地域の判断で、学校活動を本格化させていくのは、現実的な対応と言える」と言っているのだが、このフレーズの最大の特徴は、「全国一律の休校措置」を批判していないことだ。安倍首相が萩生田文科相の反対を押し切り、専門家の意見も聞かずに独断で要請した「全国一律の休校措置」に「区切りをつける」のは、それが間違っていたからではなく、事情が変わったからだと暗に言いたいようだ。安倍氏を批判しないように作文しているのがよく分かる部分だ。

後半は、学校再開後の留意事項について書いていて、毎日の検温や換気の徹底、会話時のマスク着用、手洗いの励行の指導。さらに「換気の悪い密閉空間」「人の密集」「近距離での会話」の3条件が重なる状況を避けること、授業や給食の際に向かい合って座らせないこと、発熱の情報などが円滑に伝わるよう学校と保護者の連絡態勢を密にすること、家庭でも免疫力を高めるためにバランスの取れた睡眠と食事を取るよう求めていると。

社説の最後には、「感染者やその家族、医療従事者らへの差別意識が生まれないようにする努力」まで求めている。

政府は判断基準を示すべき

【毎日】は5面の社説1本目。タイトルは…。
 政府の学校再開指針 方針転換も根拠が見えぬ

uttiiの眼

《毎日》は、安倍首相が行った全国一律の休校要請について「専門家の意見には基づいておらず、一律の対応が必要な根拠は不明確なままだった」と批判。今回の指針も「もともと一斉休校に根拠がなかったために、方針転換する理由も示しづらいのではないか」として、萩生田文科相が会見で「国民の感染拡大防止への意識が高まっている」と説明したことも「根拠としては不十分だ」と斬って捨てている。

それどころか、「都市部を中心に感染者が増え続けている」として、一斉休校が始まった当時より状況が良くなっているとは言えないとも指摘。だからこそ、保護者の中には「子供を本当に学校に行かせて大丈夫なのか」という不安が生じているという。

自治体にとってみれば、まず新学期から実際に学校を再開するか否かの判断を迫られているわけで、指針が「再開後の留意点」を示すに留まり、判断基準が示されていない以上、迷うところも出てくるだろうと心配している。

「原則再開」と言うのであれば、政府は判断基準を示すべきだし、個別に自治体の相談に応じる体制を整備すべきだというのが、《毎日》の結論。非常に原則的で論理的な社説。

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