「同じ釜のメシを食べた同期生として、温かく送り出すべきではないか」ということも言い続けてきました。卒業式に出席させないという措置は、「同じ釜のメシ」についての考えが確立していないと言わざるを得ません。防衛大臣が替わっても同じように続いているので、おそらくは校長か防大幹事の考えによるものだと思いますが、これは改めるべきです。
防衛大学校卒の非任官者が一般社会に出てからも自衛隊を支え続けること、これこそ他国の侵略の意図をくじく「国民的抵抗の意思」の中核と言わずしてなんと言うのでしょうか。そのことに気づいた防衛大学校同窓会は、20年以上前、非任官者を排除してきた悪しき慣行を改めました(かつて非任官者が作った小原台クラブは、任意団体として現在も存続しています)。
このように、卒業生の団結が日本の国家安全保障にとっても重要であることをわかっていれば、非任官者を卒業式に出席させないなどという度量の狭い扱いはあり得ないことです。
そんなことをしているから、表向きは任官するように見せかけ、陸海空の曹長の階級章に幹部候補生徽章をつけて防衛大学校の校門を出たあと退職するという、薄汚い「もぐり」という姑息な手段に走る卒業生が出てくるのです。
自らの意思を明らかにして任官しない道を選ぶ学生こそ、防衛大学校の学生綱領(廉恥、真勇、礼節)に相応しいという評価に変わって欲しいと思います。(小川和久)
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