健康な若者が死に始めた。新型コロナ拡大のイタリアは日本の明日

 

数字で見る現状

3月1日から3月31日までの累計感染者、死亡、回復した人の数を一日置きに並べていきます。たまに、データが見つからずに、一日おかずに翌日の集計数のこともあり。数字が語るものをぜひ読み取って欲しい。

  • 3月1日:累計感染者数:1,694人、累計死亡:41人、累計回復者:83人(興味深いデータとして、この日までに検査した人21,127人で92%が陰性の結果がでている)
  • 3月3日:累計感染者数:2,502人、累計死亡:79人、累計回復者:160人(この時点で専門家諸氏は、次の一週間から10日で疫病の勢いがわかるだろう
    としていた)
  • 3月5日:累計感染者数:3,858人、累計死亡:148人、累計回復者:414人
  • 3月7日:累計感染者数:5,883人、累計死亡:283人、累計回復者:160人
  • 3月9日:累計感染者数:9,172人、累計死亡:463人、累計回復者:724人(イタリア全土をレッドゾーンとする首相令)
  • 3月11日:累計感染者数:12,462人、累計死亡:827人、累計回復者:1,045人
  • 3月13日:累計感染者数:17,660人、累計死亡:1,286人、累計回復者:1,439人(専門家諸氏の発言から10日目、感染者数が約7倍になっている)
  • 3月15日:累計感染者数:24,747人、累計死亡:1,809人、累計回復者:2335人
  • 3月17日:累計感染者数:31,506人、累計死亡:2,503人、累計回復者:2,941人
  • 3月19日:累計感染者数:41,035人、累計死亡:3,405人、累計回復者:4,440人
  • 3月21日:累計感染者数:53,578人、累計死亡:4,825人、累計回復者:6,072人
  • 3月23日:累計感染者数:63,927人、累計死亡:6,077人、累計回復者:7,432人
  • 3月24日(25日のデータ見つからず):累計感染者数:69,176人、累計死亡:6,820人、累計回復者:8326人
  • 3月27日:累計感染者数:86,498人、累計死亡:9,134人、累計回復者:10,950人
  • 3月29日:累計感染者数:97,689人、累計死亡:10,779人、累計回復者:13,030人(この日現在、感染者は73,880人、前日比の増加率が5.64%と、3月半ばの10%から見ると落ちている)
  • 3月31日:累計感染者数:105,792人、累計死亡:12,428人、 累計回復者:15,729人(感染者の増加率3.9%)

ざっと見るだけでも、感染力のすごさがわかる。

感染者数のうち、感染が始まった北イタリアのロンバルディア州(ミラノが州都)がその3割強を占める。エミリア・ロマーニャ(州都ボローニャ)、ベネト(州都ベネツィア)、ピエモンテ(州都トリノ)を含めた北イタリア4州(隣り合っている)を合計すると7割になる。

人口の少ない南イタリアのバシリカータとモリーセは、感染者が二桁で極度に少ない。逆に「あんな所にも」飛び火してるのか、と驚いてしまうけど。

今、日本での累計感染者数はイタリアの3月始め。絶対に油断は禁物です。

日本でもニュースになっている、医療崩壊を起こしているのは北イタリア、特にロンバルディア州のベルガモ市。ベッドは満杯で隔離する病室も一杯。亡くなった方を荼毘に付すことにしたが、その習慣がなく荼毘設備がわずかなので追いつかない。棺桶も追いつかない。遺体を収める墓地も空きがなくなり、州外に運び出す軍のトラックの列の写真に心痛んだ。

ベルガモ市では感染のおそれがあるため、葬儀屋が遺体処理を施したり、葬式用の服に着替えさせたりすることを禁止。

亡くなると、神父さんが遺体に香油を与えて最後の秘儀を行うが、そのために50人以上の神父さんが感染して亡くなっている。これは市としては禁止はできないのだろうな。

病室の不足を補うために、ミラノでは見本会場を簡易病室に改造。インテリア、車、ファッションなどの重要な国際的見本市が開かれる場所。コロナの騒ぎが収まらなくては、見本市の開催はないからこれは良い案。

病室が足らないことを受けて、クルーズ船運行会社のMSCが、船を検査で陽性と出た人の待機場所に使う提案をした。何千人も居住させることができるし、食事などを用意する施設もあるのだから、なかなか良い提案だ。実行には至ってないけど。

print
いま読まれてます

  • 健康な若者が死に始めた。新型コロナ拡大のイタリアは日本の明日
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け