健康な若者が死に始めた。新型コロナ拡大のイタリアは日本の明日

 

首相令にみる感染の拡大と規制

当初、商店閉鎖、自宅待機は3月25日まで、そして4月2日まで、と延びたけど、感染する人が増え続けているから、もっと延ばすことになった。

前々回の「ローマでコロナ」と重複するけど、3月の首相令の行程を。

3月1日(累計感染者数:1,694人):北イタリアをレッドゾーン指定。レッドゾーンの出入り禁止、生活に必須なサービス等を除き、すべての文化活動、教育活動、商業活動禁止。イエローゾーン(北部3州とマルケ、リグーリア州)文化活動(スポーツイベント等)、教育活動は3月8日まで禁止。宗教施設、美術館・文化施設、レストランやバール(喫茶店)、パブ、それ以外の商業施設等、人が集まる場所においては、人同士が接触を避けられるよう「1メートルの距離」を保つ配慮が求められる。病院や介護施設へのアクセス制限あり。

同日、首相令とは別に、感染者が出始めたラツィオ州(州都ローマ)も、州令を発行。修学旅行、ツアー、課外授業の3月15日まで中止。レッドゾーンに滞在した者は、管轄地域の指定保健機関内対策部に通知し、14日間の自宅隔離。

3月4日(累計感染者数:3,089人):イタリア全土で3月5日から15日まで学校、大学(専門学校含む)休校。会議、会合の禁止。映画館劇場など互いに1mの対人距離を保てない場所での催し禁止。スポーツイベント禁止。レッドゾーン以外では観客なしでの遂行可。高齢者や慢性疾患のある人の外出を控える呼びかけ。医療、介護施設への立ち入り禁止。

この頃は、まだ重篤になるのは高齢者と糖尿病などの、疾患を持っている人に限られていた。健康な若い人は仮にかかったとしても、治癒すると誰もが思っていたし、マスメディアもそう報じていた。

3月5日(累計感染者数:3,858人):75億ユーロ(約8,960億円)の新型コロナウイルス対策費。

3月8日(累計感染者数:7,375人):新たな首相令で個人の移動を回避。職務上の必要性、健康上の必要性を除く移動の回避(違反に対する罰有)。プラス、レッドゾーン拡大。全部北。すべての商業施設(商店、床屋、美容院)は午後6時で閉めること。日祭日は営業しないこと。

3月9日(累計感染者数:9,172人):イタリア全土をレッドゾーン。出歩く際には住所氏名と外出目的を記した、自己申告用紙を義務付け。その後、数回に渡って記入事項を増やした改訂版を発表して行く(自宅でプリントアウト。プリンターが自宅にない場合は、警察官が用意の用紙に記入)。

3月11日(累計感染者数:12,462人):3月25日まで、生活に密着した食料品店、薬局などを除き、すべての商業施設は営業を停止する。「午後6時に閉める」ではなく、閉店。各事務所、工場は業務上必須な部署を除き、活動を停止すること。公共交通機関は動くが、なるべく出歩かないように。

250億ユーロ(約2兆9,500億円)の追加対策。

新型コロナウイルス、イタリア政府が250億ユーロの追加対策を発表

感染の封じ込めや予防対策、医療体制に対する支援失業対策や雇用に対する支援家計および企業の資金繰りに対する支援納税期限の延長など税制面での支援。

3月14日(累計感染者数:21,157人):(今回の商業活動停止で大きな被害を被っている)観光業関係法人、及びフリーランス、劇場、映画館、スポーツクラブ、フィットネス、芸術的、文化的、娯楽的、スポーツ的、宗教的な性質のものを含む、コース、フェア、イベント開催者)の税金支払い4月30日までの一時停止。

3月17日(累計感染者数:31,506人):首相令「イタリア治療」と命名。税金支払い停止を5月まで延長。フリーランスに600ユーロ(約7万円)の援助金(3月のみ)。店舗の賃貸にかかる税金の控除。他に、住宅ローンの軽減、経営者に対して消毒にかかる費用の補助など。主に税金控除について事細かく追加。

3月23日(累計感染者数:63,927人):3月25日までとした商業施設営業停止を4月3日まで延長。

3月26日(累計感染者数:80,539人):生活に必要のない用事で外出した者に対する処罰(400ユーロから3,000ユーロ/約4万7,000円から約37万円/の罰金。症状があるにもかかわらず外出した者には、1年から5年の懲役)。

3月30日(累計感染者数:101,739人):厚生省はすべてのコロナ対策(不要の外出禁止、商業活動停止など)を復活祭(4月12日)まで延期する方針を政府に打診。

日付けは忘れてしまったけど、3月半ばごろ、今期の医療関係学校卒業者を試験なしで2万人雇用する決定がなされた。

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