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新型コロナに負けない。巣ごもりでも理想の生活を見つける方法

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、緊急事態宣言が全国に拡大されました。これに伴い、各都道府県で外出自粛要請が出され、自宅で過ごす時間が長くなりました。家に籠ることで運動不足やストレスを抱えてしまいがちですが、逆転の発想で巣ごもり生活を満喫しようというのは角田陽一郎さん。TVプロデューサーとして「からくりTV」「金スマ」などを企画制作したバラエティプロデューサーが、自身のメルマガ『角田陽一郎のメルマガDIVERSE』の中で、その方法論を説いています。

篭って、理想の生活を!

みなさん篭っていますか? あるいはこんなコロナ禍の中で医療に従事されたり、社会のインフラを支えたりされてかなり疲弊されているかもしれません。そんな方々に多大な感謝の心を持ちつつ、そんな力も技術も無い不要不急の存在である僕なんかは、それこそ篭ってることが一番の貢献だと思い、忸怩たる思いを抱えて日々篭っております。

今年の新年の最初のメルマガで『アーティストはアミューズメントをアーカイブする。』というタイトルで、今年の僕のテーマは、アートとアミューズメントとアーカイブであると言いました。

  1. art,artist アーティストになる。作品を創る。
  2. archive 研究、人生、思考を蓄積する。
  3. amuse,amusement 人生を娯楽する。

この3つをやっていこう!目指してみよう!なんて思っていた正月には、3ヶ月後にはコロナのせいで世界はこんな有様になっているなんて全く予想だにしなかったですが、今想うと、結果的に今年最初に想ったこの3つのテーマを今僕はまさに篭りながら実践していることになります。

篭っているわけですから、ひたすら思考しています。そして書き物を進めています。心理的には疲弊しているので筆が進むというわけでは決してありませんが、言うても今まで以上に机に前に座っているのは確かです。時間はあるのですから。アーティストになるべく作品を創っています。

そして昨年から通っている東京大学大学院は、コロナのせいで4月からの授業開始が懸念されましたが、むしろ対面をやめてすべてリモート授業でむしろ展開されています。こんな状況下だからこそ「学問を止めてはいけない」そんなスローガンのもと勉学に励んでいます。

さらに本業のバラエティプロデュースもリモートでミーティングもするようになりました。すると、時間的には確かに対面でやっている時よりも、移動時間が無いぶん、かなり効率よく講義やミーティングができるようになりました。

そして、僕が主催しているオンラインサロン的な勉強会『ICUC知的好奇心向上委員会』も今までは月1で会って、みなで毎月2時間程度談義をしていましたが、それもコロナで叶わず、むしろ毎週週末に30分のYouTube動画をアップするようになりました。

さらに昨年末から始めた自由大学での講義『発展途上人学』もリモートで開催し始めました。これらは、それこそ僕の今想っていることが毎週動画でアーカイブされていることを意味します。

そしてそして、自分が篭っているスタジオは(新刊の『読書をプロデュース』の表紙の場所ですが)大量の本に囲まれています。いや正確に言えば今まで10代のころから大量に買って来た本を一気に並べるようなスタジオで仕事がしたくてTBSを2016年末に辞めたくらいです。そんな理想のスタジオで篭っているわけだから、アミューズメントには事欠きません。本棚を見ながら、気になったタイトルの本を、「あ、こんな本買ってたよな!」とか思い出しつつ懐かしがりつつ、手にとって読み漁っています。

つまり、僕はコロナのせいで期せずして篭り続けることを要求されながら、これまた期せずしてアーティストでアーカイブでアミューズメントすると言う、理想の生活を実は実現させてしまっているのです。これは、不思議な感覚です。

でも確かに篭っていると、ストレスが溜まったりもします。

その場合は、外に出て散歩に、時にはランニングに行きます。むしろ運動不足になって肩こりや頭痛がひどくなるので、積極的に毎日散歩の時間を確保するようになりました。これは、僕のライフスタイルにとってはかなり革命的な転換です。

つまりそんな風にルーチンで体を動かすということができていなかったから太っていたのです。これまでだって当然痩せようとは思い、ダイエットに励んだりスポーツジムに通ったこともありますが、でも結局日々の仕事にかまけて、というか気持ちが仕事優先なので、結果ダイエットや運動は気持ちの上で二の次になり、さらに仕事のストレスでバカ喰いをしたりするので、結果体はぶくぶく太り、肩こりも頭痛も老化に重ねてどんどん悪化する一方でした。

しかし、それが篭ることで解消されたのです!

先ほど述べたように、仕事でも移動時間が減ったので、相対的に時間に余裕があります。さらに篭ってるとストレスなわけだから外に出たくなります。この時間と気持ちが合致して、いままでさんざんできなかったルーチン的な散歩やランニングをやることが気持ちの上で一番に位置するようになりました。

さらに篭ってると会食が無くなったので、食事も適量になりました。

さらにさらに普段篭ってる時に飲むのは、もっぱら白湯になりました。外に買い物に行くのが限定されるから、いちいち何か飲み物を買うより白湯が一番お手軽だしお金も節約できるし、なにせ体が身体の中から温まるので、体調にも良いのです。そして普段白湯を飲んでいると、味覚が鋭くなります。些細な味の違いに敏感になるので食事がいつもにまして美味しく感じられるようになりました。

こうして僕が結果的にかなりスリムになりました。一番太っていた3ヶ月前の112キロから105キロへとマイナス7キロです!これは、本当に嬉しいですね。この際、篭りながら健康にスリムな身体を手に入れてしまおう!なんてさらに意気込みも増して行きます。

雌伏して、至福の時を待つ。

というような篭っている日常が、実は自分の理想に近づいているという感覚が芽生えてきているのは、なんかとても不思議なのですが、僕の中で厳然としてあります。

一方で、じゃあそんな理想な暮らしをしているからって感情的にも満たされているかと言われれば、それは全くもって否です。

日々の世界のニュースやSNSの動向を見ると、いちいち落ち込みます。世界はもう二度と以前のようには戻らないんだろうなっていう不安感が日々襲ってきます。さらに自分の稼ぎもあります。どんなに自分が頑張っても、このコロナの経済減退の影響を受けないなんてありえません。特に僕みたいな不要不急なエンターテインメントを生業にしてい身にはダイレクトに響いてきます。今までの暮らしが、急にできなくなるんじゃないかって、日々恐れています。

さらに、自分の周辺の人たちが罹患しないか?そんなことばかり心配になります。

特に高齢で病気を抱えている両親なんて、コロナに罹患してしまったら、直撃してしまうんだろうとかなり危惧していますし、僕が尊敬する昔から大好きなアイドルは、日本人でも海外でも比較的高齢の方々が多いです。残念ながら志村けんさんがお亡くなりになってしまいましたが、もうそんな悲しい別れは起こって欲しくありません。

つまり、やはり精神的にはかなり参っているんだと思います。

それは、仮にどんなに理想的な生活をしていたとしても消え去るものではありません。これは僕だけでなく、読者のみなさんはじめ、まさに世界中の誰もが抱えてしまった不安でしょう。そんな不安に取り囲まれてしまった人類には、もはや理想のサンクチュアリなんて無いのかもしれません。
じゃあ、僕は一体どうすればいいのか?

なので、僕は、そんな想いを、ひたすらアーカイブしようと想うのです。こんなコロナの世界に直面してしまった人類は、そんな時にどんな想いに至るのか?どんな思考を巡らすのか?どんな行動に出るのか?そんな状況と心境をアーカイブしようと想うのです。

なので、僕は自分の今の想いを文章を書きます。
なので、僕は自分の今の言動を動画に残します。
なので、僕は自分のメッセージをリモートで人に伝えます。
それは、篭ってできるのです。篭ってるからこそできるのです。

実際、オンラインでのリモート講義では、『発展途上人学』ではクロアチアやシンガポール、福岡、静岡、福島の方が参加してくれました。これが従来の対面式なら週日の夜の青山に集える人に限定されていたのです。まさに篭ってリモートでやる講義だから、そんなグローバルな講義が実現できたのです。

また静岡の三島の多数の飲食店を経営するにしはらグループの顧問を昨年からしていたのですが、今までなら定期的に三島に伺ってのミーティングだったので、なかなか時間と機会が限られていました。先方の社員の方も日々の仕事があるのでなかなか対面できる方は限られていました。それが営業休止で社員の方に時間ができ、リモートなのでむしろこの機会に多くの社員の方との勉強会も開催できるようになったのでした。

こんな時だからこそ、今までの知り合いからコロナ後のビジネスを一緒にやりましょうと数件声をかけていただけましたし、週刊プレイボーイで連載している『Moving Movies』という映画対談もリモートでの取材に切り替えて進めています。

僕は、今年の8月で50歳になります。ちょうど東京オリンピックが終わって誕生日でした。なので、それこそ近年考えていた構想では、このオリンピックを境に、50代は日本を出て、ヨーロッパに拠点を移して活動していこう、なんて漠然と、でも屹然と考えていたのでした。

でもそれが、このコロナで霧消しました。

なんか、自分が考えていた近未来の行き方も転換しなければならないと想うと動揺もあります。一方で、今の篭ってリモートで仕事をしている姿は、実は僕がヨーロッパで生活する時にイメージしていたまさにリモート状態とほぼ同じ状況であるのも確かなのです。

篭って作品を創り、
篭って研究し、
篭って、リモートでミーティングし、
篭って、リモートで、講演を行う。

これ、まさに僕がヨーロッパに拠点を移したら日本との関わりをリモートに移管しなければならない、と想ったことの体現でもあるのです。

僕はヨーロッパでの生活を諦めてはいません。将来に伸びたのだと考えています。そしてその伸びた分の今、そんなリモート生活の実験とシミュレーションを期せずして日本で篭ってできてるのかもしれないのです。

やってみてわかりました。リモートで生活できます!仕事もやれそうです!なんだ、そんな準備期間を神様が与えてくれたんだ!って想ってもいます。

こんな風に、このツラツラ書きなぐってきた文章だって後ろ向きなのか前向きなのか、イケイケなのかウジウジしているのか、ふらふら行ったり来たりしている判然としない文章になってしまっています。

でもそんな感情の起伏が激しい文章でいいんだとも、むしろ想ってもいるのです。こんな未曾有の危機的状況に、人は(僕は)冷静な文章なんて書けるわけがないのです。それにそんな感情の起伏こそ、まさにアーカイブする必要があるんだと想うのです。

今は、耐えどきです。そんな時こそ、人は成長するのです。
未来に向けて、篭り続けましょう!
今は、雌伏の時です。
そして、至福の時を待ちましょう。

image by: shutterstock

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