中抜き問題で安倍首相「10億以上は銀行手数料」大手銀行は否定?

2020.06.05
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by 編集部サトシュウ
安倍首相_持続化給付金
 

新型コロナウイルス対策に関する「持続化給付金」支給事務を委託した法人の実態が不透明と指摘される問題について4日、参院厚生労働委員会で社民党の福島瑞穂党首の質問に答えた安倍首相。福島氏が「20億円の中抜き」と批判したのに対し、首相は「そのうち10億円以上は銀行に手数料として払っており、(批判の)前提自体どうなのかという感じだ」と反論したと時事通信が伝えている。しかし、振込手数料だけでそのような大金がかかるのか。大手銀行に直接、電話で聞いてみた。

どんな大金でも振込手数料は数百円

電話で問い合わせたのは三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の大手三行。政府への「忖度」などから回答を拒否されないよう、あくまで一般人として「法人で1億円を振り込む場合、手数料はいくらになるか? 」と尋ねてみた。

すると、どの銀行も「1億円でも10億円でも100億円でも振込手数料は同じ」との回答があった。

三菱UFJ銀行の場合、振込金額3万円以上で同行あてだと550円、他行あてだと880円。
三井住友銀行の場合、振込金額3万円以上で同行同一支店あてだと440円、同行本支店及び他行あてだと880円。
みずほ銀行の場合、振込金額3万円以上で同行あてだと660円、他行あてだと990円。
(※いずれも銀行窓口での振込の場合。インターネットバンキング等は異なる)

もちろん、今回問題となっているお金は3万円どころの話ではないので、安倍首相の答えた「10億円以上を銀行の手数料として支払った」という発言に疑問が生じてくる。

その場しのぎの安倍首相

一方、「中抜き」の指摘に対する安倍首相の答弁が「不自然」ということは差し引いたとして、給付金を個人や企業に給付する際の振込手数料に「10億円以上を銀行の手数料で払った」と理解した場合でも、

(給付する企業または個人数)×(振込手数料)=振込手数料総額:10億円以上~

ということになる。

テレビ朝日など一部の報道によると、「(振り込みには)みずほ銀行を利用した」とあったため、振込手数料を仮に990円と仮定すると、すでに約10万1000件へ振り込んだことになるが、そもそも「持続化給付金」が振り込まれていない企業や個人は多く、まだ申し込み自体を受け付け中の状態だ。振り込んだ件数が確定していないにも関わらず、「そのうち10億円以上は銀行に手数料として払っており」という安倍首相の答弁がおかしいことに変わりはない。

万が一、「すでに10万件以上に振り込んだ」というのであれば、その証拠として振込日を記載した入金リストを提出しないことには野党も国民も納得しないだろう。

この不可解な入札に始まり、委託した法人の実態が不透明な点、そして特定の企業にだけ利益を与えているように見える委託費のおかしな流れなど、「持続化給付金」にまつわる問題は疑惑が増すばかり。安倍首相からのさらなる詳しい説明が必要ではないだろうか。

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