自粛警察は差別主義者。「あいつはコロナだ」の烙印が日本を破壊する

 

大学教育の場で叫ばれている悲鳴

この社会的断罪の弊害を、わたしの携わる大学教育の場で考えてみる。今年の大学1年生は、入学式も含めて、一度もキャンパスに通学したことのない学生が多い。対面でのリアルなコミュニケーションがまったくなく、オンライン講義だけの弊害は、授業やゼミ選択など雑談的なやりとりから得られるリアルな情報の欠如、ずっとアパートや実家の自室にこもってパソコンを見つめてオンライン課題に取り組むだけで一日が終わってしまう不全感など、挙げれば切りがない。メンタルヘルスの問題も深刻化しつつある。

学生や保護者からは、対面授業の再開を熱望する声もある。しかしクラスターが発生した場合には、主にマスコミによる社会的断罪が執行され、学生や保護者のメンタルはズタズタになるだろう。3月の京都産業大学の事件を思い出してほしい。

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精神科医の西多昌規です。一般書やブログ、SNSには書きづらい精神科医療とメンタルヘルスの裏の実情を紹介します。医学研究や医学部教育の問題点にも切り込みます。

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